皆さんはシンセサイザーやキーボードという楽器に、どのようなイメージをお持ちでしょうか。「子供の頃からピアノを習っていないと弾けないだろう…」と、難しい楽器のように捉えてはいませんか。確かに、思いっきり弾き倒したいのであれば、相応の練習が必要ですが、これは何も「キーボード」に限ったことではありません。そんな中、使い方によっては演奏スキルがなくても、十分に楽しめるのが「シンセサイザー」という楽器なのです。鍵盤が付いているため、「ピアノが弾けないと楽しめないのでは…」と考えてしまいがちですが、極端に言うと、指1本でも十分に演奏を楽しむことができます。今回はキーボーディストでなくても手にしやすく、かつ注目を集めているミニ・サイズのシンセサイザーを紹介します。

シンセサイザーってどんな楽器?

最近の楽曲は、バンド編成でもピアノやストリングスからダンス・ミュージックのような派手なものまで、「シンセサイザー」のサウンドが多用されています。特にメジャー・シーンでは「バンド楽器だけで構成されている楽曲を探す方が大変…」と言っても良いかもしれません。このように、バンドのメンバーが演奏している楽器以外のパートをシンセサイザーを使って事前に打ち込んだり、録音をし、その演奏を鳴らしながらバンドの演奏をする「同期」のパフォーマンスも一般的に行われるようになりました。

では、そもそもシンセサイザーというのはどんな楽器なのでしょうか。辞書を引くと、「音を合成して鳴らす電子楽器」などと書かれていると思いますが、簡単に言うと、「どんな音でも再現することができる楽器」という感じでしょうか。

シンセサイザーのいろいろ

一口に「シンセサイザー」と言っても、音を作る仕組みによって、いくつかの種類に分けることができます。代表的なものを見ていきましょう。

歴史的に見て、最も古いのが「アナログ・シンセサイザー」です。その名の通り、アナログの回路を用いて電気を音に変換し、音を加工して、演奏することができるタイプです。ギター/ベース用のエフェクターと同じく、デジタル化が進んだ現代でもアナログ特有のサウンドや特性を求める人は多く、最近では、再びアナログ・シンセサイザーが脚光を浴びています。

アナログ・シンセサイザーは電気から音を作るため、ピアノやオルガン、ストリングスといった生音を再現するのは得意ではありません。そこで生まれたのが、「PCMシンセサイザー」です。実際の楽器の音を録音しておき、鍵盤を弾くと録音したサウンドが再生される…というデジタル技術を応用した「サンプラー」と同じ仕組みです。もちろんアナログ・シンセサイザーの音を録音しておけば、ちゃんと再現することができるので、まさに「万能タイプ」と言っても良いでしょう。生楽器からシンセサイザーのサウンドまで、様々な音色が欲しい場合に最適なタイプです。

そして、アナログ・シンセサイザーをデジタル技術で再現したのが、「バーチャル・アナログ・シンセサイザー」というタイプです。なお、パソコン上で動作するソフトウェア・シンセサイザーも、基本的にはPCMシンセサイザーかバーチャル・アナログ・シンセサイザーのどちらかに分類することができます。言い換えると、「アナログ・シンセサイザーを楽しめるのはハードウェアだけ」ということです。

ミニ鍵シンセが面白い

今回のテーマである「ミニ鍵シンセ」は読んで字のごとく、ミニ鍵盤を搭載したシンセサイザーのことです。ミニ鍵盤は通常のシンセサイザーやキーボードの鍵盤よりも、幅も奥行きも一回り小ぶりな鍵盤のことを指します。サイズに厳密な決まりはないので、バラつきは微妙にあるかと思いますが、大きさはおおよそ標準鍵盤の3/4程度です。確かに小さく、かつストローク(鍵盤を押す深さ)が浅いので、細かな演奏ニュアンスの表現などの面では不利な部分もありますが、標準鍵盤にはない魅力に溢れています。

まずは何と言っても、筐体がコンパクトな点です。鍵盤が小さくなることで本体のサイズも小型にできるので、標準鍵盤を搭載したモデルと比べると、圧倒的にコンパクトで軽量。ライブ会場へ持って行くのはもちろん、自宅でも使いたい時だけ取り出すなど、何かと便利です。

ミニ鍵のシンセサイザーはアナログやバーチャル・アナログ・タイプが多いので、両手で複雑なフレーズを弾くというよりも音を出しながらつまみをグリグリと操作して、音に変化を付けるような使い方でOK。モデルによっては「アルペジエーター」という自動演奏機能のようなものも搭載されているので、指1本で弾くだけでも十分に楽しめるでしょう。

▲ミニ鍵盤と標準鍵盤のサイズの違い(写真は同じスケール)

シンセがあれば、こんなに便利

生粋のギタリストがシンセサイザーを購入するのは少し勇気がいると思いますが、1台持っておくと何かと便利に使えます。

まず単体ですぐに音を出せるので、曲作りやレコーディング中に音程やフレーズをその場で確認することができます。また、現行モデルの多くがパソコンと連携可能なので、MIDIキーボードとしてDAWソフト上にフレーズを打ち込む際に使用することができるほか、反対に、DAWソフト上に打ち込んだデータでシンセサイザーを鳴らすという使い方も行えます。

いずれにしても、鍵盤はギターやベースでは思いつかないようなフレーズを生み出すことができ、普段の楽曲にシンセサイザーの要素を加えれば、アレンジの幅が一気に広がることは間違いありません。

人気のミニ鍵シンセサイザー 6モデル

以下のページで、各社の主要/人気ミニ鍵シンセサイザーを紹介しています。

KORG / microKORG S

Roland / JD-Xi

Yamaha/refaceシリーズ

Arturia / MicroBrute

Novation / MiniNova

Teenage Engineering / OP-1