ここからは実際の音楽制作の流れを見ていきましょう。まずは基本中の基本、演奏の録音方法からです。画面はLogic Pro Xを使っていますが、他のDAWソフトでもほぼ同様です。

1.楽器を接続する

まず最初に、録音したい楽器をオーディオ・インターフェイスの入力端子に接続します。今回はエレキ・ギターを録音するので、シールドをHi-Z(インストゥルメント)端子に接続します。もちろんお気に入りのエフェクターを使うのもOKです。その場合はギターとオーディオ・インターフェイスの間に接続をしましょう。

2.オーディオ・トラックを作る

次にDAWソフト上に演奏を録音するための「トラック」を作成していきます。トラックとは、簡単に言えば演奏を保管する箱のようなものです。演奏ごとにトラックを作り、重ねていくことで曲を作っていきます。なお、自分の演奏を録音する場合には「オーディオ・トラック」を使用します。トラックにはいくつか種類があるのですが、自分の演奏やCDなどオーディオ・ファイルを使用する場合は、オーディオ・トラックを選んでおきましょう。

また、ソフトによってはトラックを作成する際にステレオかモノラルのどちらのトラックを作るのか、指定する必要があります。ギターやボーカルなどはモノラル楽器なので、モノラルを、一方でシンセサイザーやリズム・マシンなどステレオ出力できる楽器やマルチ・エフェクターのステレオ・エフェクトを使ったサウンドを録音したい場合には、ステレオを選択しておきましょう。

3.入力端子を設定する

オーディオ・インターフェイスには、複数の入力端子が用意されていますので、どの端子に接続した音を録音するのかをDAWソフト上に設定する必要があります。トラックのインプット項目をクリックして、ギターを接続した端子を設定します。

また、トラックの「録音待機」ボタンをONにします。これで「この入力端子に接続された音を、このトラックに録音するよ」という設定ができました。

4.入力ゲインを調整する

最後に録音する音量を調整しておきましょう。ギター側のボリュームは最大で音を鳴らしながら、オーディオ・インターフェイスの入力ゲインつまみを回していくと、DAWソフトの画面内にあるミキサーのレベル・メーターが触れるはずです。

録音作業で失敗するとしたら、このゲイン調節です。ゲインは小さすぎてもダメですが、何よりまずいのは大き過ぎた場合です。音が割れてノイズが混じってしまい、どんなに良い演奏も台無しになってしまいます。このように音量オーバーで音割れを起こした状態を「クリップ」と呼んでいます。理論上、歪まないギリギリの音量に設定するのが理想ですが、少し位小さい程度でも全然問題はないので、絶対にレベル・メーターが赤く点灯しないようなレベルを心がけましょう。

ギターやベースの場合は比較的簡単なのですが、難しいのがボーカルのレベル設定です。人の声はかなり音量差があり、サビなどで気分がノッてくると急に音量が大きくなることがあるので、リハーサルでしっかりとレベル調整した状態から、もう少しだけ下げた位で録音しておくと安心です。とにかく、クリップしないようにレベル設定は慎重に行ってください。

なお、この時にギターを弾いてから音が聴こえるまでにタイムラグがある場合は、前のページで紹介した「バッファサイズ」を調整してみてください。レイテンシーの遅れはmsec(1/1000秒)で表されます。個人差はありますが、大体10msec程度のレイテンシーがあると音の遅れを感じると思います。

5.録音をスタートする

すべての設定と準備が整ったら「録音」ボタンを押してレコーディングをスタートさせましょう。設定したテンポでメトロノームが鳴り始め、演奏はリアルタイムに波形としてディスプレイ上に表示されていきます。

6.再生して確認する

録音が終わったら「停止」ボタンで録音は完了です。「再生」ボタンを押して演奏を聴き返してみましょう。この作業を繰り返して、アンサンブルを作っていきます。


ギタリスト視点でのDAW入門 – 様々な編集を行う」に続きます。

https://digireco.com/images/DRM192_spcover.jpghttps://digireco.com/images/DRM192_spcover.jpg編集部特集記事Vol.193,特集記事ここからは実際の音楽制作の流れを見ていきましょう。まずは基本中の基本、演奏の録音方法からです。画面はLogic Pro Xを使っていますが、他のDAWソフトでもほぼ同様です。 1.楽器を接続する まず最初に、録音したい楽器をオーディオ・インターフェイスの入力端子に接続します。今回はエレキ・ギターを録音するので、シールドをHi-Z(インストゥルメント)端子に接続します。もちろんお気に入りのエフェクターを使うのもOKです。その場合はギターとオーディオ・インターフェイスの間に接続をしましょう。 2.オーディオ・トラックを作る 次にDAWソフト上に演奏を録音するための「トラック」を作成していきます。トラックとは、簡単に言えば演奏を保管する箱のようなものです。演奏ごとにトラックを作り、重ねていくことで曲を作っていきます。なお、自分の演奏を録音する場合には「オーディオ・トラック」を使用します。トラックにはいくつか種類があるのですが、自分の演奏やCDなどオーディオ・ファイルを使用する場合は、オーディオ・トラックを選んでおきましょう。 また、ソフトによってはトラックを作成する際にステレオかモノラルのどちらのトラックを作るのか、指定する必要があります。ギターやボーカルなどはモノラル楽器なので、モノラルを、一方でシンセサイザーやリズム・マシンなどステレオ出力できる楽器やマルチ・エフェクターのステレオ・エフェクトを使ったサウンドを録音したい場合には、ステレオを選択しておきましょう。 3.入力端子を設定する オーディオ・インターフェイスには、複数の入力端子が用意されていますので、どの端子に接続した音を録音するのかをDAWソフト上に設定する必要があります。トラックのインプット項目をクリックして、ギターを接続した端子を設定します。 また、トラックの「録音待機」ボタンをONにします。これで「この入力端子に接続された音を、このトラックに録音するよ」という設定ができました。 4.入力ゲインを調整する 最後に録音する音量を調整しておきましょう。ギター側のボリュームは最大で音を鳴らしながら、オーディオ・インターフェイスの入力ゲインつまみを回していくと、DAWソフトの画面内にあるミキサーのレベル・メーターが触れるはずです。 録音作業で失敗するとしたら、このゲイン調節です。ゲインは小さすぎてもダメですが、何よりまずいのは大き過ぎた場合です。音が割れてノイズが混じってしまい、どんなに良い演奏も台無しになってしまいます。このように音量オーバーで音割れを起こした状態を「クリップ」と呼んでいます。理論上、歪まないギリギリの音量に設定するのが理想ですが、少し位小さい程度でも全然問題はないので、絶対にレベル・メーターが赤く点灯しないようなレベルを心がけましょう。 ギターやベースの場合は比較的簡単なのですが、難しいのがボーカルのレベル設定です。人の声はかなり音量差があり、サビなどで気分がノッてくると急に音量が大きくなることがあるので、リハーサルでしっかりとレベル調整した状態から、もう少しだけ下げた位で録音しておくと安心です。とにかく、クリップしないようにレベル設定は慎重に行ってください。 なお、この時にギターを弾いてから音が聴こえるまでにタイムラグがある場合は、前のページで紹介した「バッファサイズ」を調整してみてください。レイテンシーの遅れはmsec(1/1000秒)で表されます。個人差はありますが、大体10msec程度のレイテンシーがあると音の遅れを感じると思います。 5.録音をスタートする すべての設定と準備が整ったら「録音」ボタンを押してレコーディングをスタートさせましょう。設定したテンポでメトロノームが鳴り始め、演奏はリアルタイムに波形としてディスプレイ上に表示されていきます。 6.再生して確認する 録音が終わったら「停止」ボタンで録音は完了です。「再生」ボタンを押して演奏を聴き返してみましょう。この作業を繰り返して、アンサンブルを作っていきます。 「ギタリスト視点でのDAW入門 - 様々な編集を行う」に続きます。ミュージシャンの物欲を掻き立てるフリー・マガジン