曲作りに限らず、音楽をやっていると何かと出てくる「音楽理論」。実はよくわかってないんだけど、何となくできちゃってるし…とか、勉強してみようと思って理論書を買ってみたけれど、途中で挫折しちゃって…。そんな人も多いのではないでしょうか。確かに理論書をめくると、複雑難解な用語の連続。これがどのように曲作りやフレーズ作りに生きるの? と疑問を感じてしまうのも仕方のないことかもしれません。

今回は、DiGiRECO誌で初となる音楽理論ネタ。マジメにやっても面白くないので、曲作りに即活かせるポイントに絞って、できるだけかみ砕いて、わかりやすく紹介していきます。過去に音楽理論で挫折してしまった経験のある人も、ぜひ再挑戦してみてください。

「度数」で音程を表す

いわゆるロックやポップスといったポピュラー音楽で、核の1つになるのが「コード」。この特集も、コードの考え方を中心に紹介していこうと思いますが、コードの話題に入る前に、まず押さえておきたいのが「音程」についてです。音楽理論やコード理論の本でも、まず音程について解説されていると思いますが、これは音程のことを知らないと、絶対にコードが理解できないからなんです。逆に言えば、音程がわかればコードを丸暗記するなんて必要がなくなるということでもあります。

そもそも音程とは何でしょうか。「音程が悪い」など単語としては日常的に使っていると思いますが、イメージはできても言葉で表そうと思うと説明しにくいそんな言葉だと思います。結論から言うと「2つの音の差」のこと。例えば、同じオクターブ内でドとミという2つの音があった場合、ミの音はドの音よりも高い音というのは誰でもわかると思います。では、ドとミはどの位、離れているでしょうか。

白鍵2つ分とか4フレット分…とか表現の方法はいろいろとありますが、理論的に音程を表す時に一般的に使われてるのが「度数(どすう)」です。専門用語ですが、言っていることはすごく簡単で、ドレミの数…つまりピアノの白鍵の数を数えればOKです。先ほどのドとミの例では、「ド」レ「ミ」と3つ分離れていますので「3度」と表します。ドを基準としたときに、各音程との関係をまとめたのが譜例1です。

▲譜例1 各音間の隔たりを表すのが、度数です。ドを基準にしたときに、各音程はこのように表現します

ここではドを基準に考えましたが、どの音を基準にしても度数の考え方はまったく同じです。音程にゼロは存在しないので、同じドとドは1度としてカウントするのがポイントです。そして1オクターブ上の音とは8度の関係になりますが、「オクターブ」という言葉自体、8番目を表すラテン語が語源になっているんです。楽譜でオクターブを表すときに「8va」と書くのも、これに所以します。

もう1つのポイントは、常に「音程が高い方に考える」ということ。ドを基準にした場合はわかりやすいですが、例えば、ラを基準したとき、ミとの関係はどのようになるでしょうか。ラ・ソ・ファ・ミと下がって考えると4度ですが、ラ・シ・ド・レ・ミと5度の関係と考えましょう。上に数えるか下に数えるかで数が変わってしまうので注意してください。鍵盤で見たときに、常に右側に数えていく。と覚えておけばOKです。

これでは不十分?!

これで基本となる音程を言葉で表すことができました。しかし、ご存じの通り音程は8個だけではありません。シャープやフラットを入れると、1オクターブは12個の音で構成されていますので、これだけではすべての音程を正確に表現することができません。譜例2を見てください。3つの音はどれもドとミの組み合わせですので、度数で表現するとすべて3度ということになります。しかし、音を出すと響き方はまったく別モノ。これは問題です。

▲譜例2 度数で言えば同じ3度でも、シャープやフラットが付くとまったく違う音になってしまいます…

これを区別するために生み出されたのが、「短」とか「長」、「減」、「増」という言葉。どこかで聞いたことがあると同時に、理論が嫌になってしまう最初の関門。通常の理論書では、各項目の意味が詳しく解説されるところですが、ちょっと複雑なので省略してしまいましょう!知っておいた方が良い知識ではありますので、本特集を読み終わった後で余力のある方は、ぜひ理論書を開いてみてください。

見ていただきたいのが、各音程の種類と存在する度数をまとめた「表」です。中でも色の付いた部分、日本語読みと省略表記の部分に注目してみてください。メジャーとかマイナーとか、コードでよく聞く単語が登場してきました。

▲表 音程を正確に表現するために、長、短、増、減といった言葉が使われます

特に頻繁に使われる長・短に絞って、これを鍵盤上に割り当てると図1のようになります。今回はC(ド)を基準にしていますが、キーが変わった場合はこのまま平行移動して考えればOKです。ただ、これも暗記する必要はありませんので、何となく「こんな配置になっているんだ」程度の認識でも大丈夫です。

▲図1 ドを基準にしたときに、各音程はこのように表現できます

半音と全音

ここまで、あえて半音や全音という言葉を避けて、鍵盤(フレット)○○分と表現してきましたが、ここで触れておきましょう。半音とは、鍵盤やフレット1つ分の距離にある音のこと。そして、半音2つ分の距離にある状態が全音です。

鍵盤で考えると、ドとレ、レとミは全音の関係にありますが、ミとファの間に黒鍵はありませんので、ミとファは半音の関係になることに注意してください。同じようにシとドの間にも黒鍵がないので、ここも半音の関係になります。

ここでわかることは、慣れ親しんだドレミファソラシドの並び(これをメジャー・スケールと呼んでいます)は1オクターブを均等に割ったものではなく、全・全・半・全・全・全・半という風に並んでいる…ということ。これは、スケールを考えるときに重要になってきます。

「絶対わかるコード理論 – 第2章.3和音と4和音の仕組みを知る」に続きます。