3和音の仕組みを知る

基本の3和音

お待たせしました。ここからは実際にコードの話題に入っていきます。

そもそもコードとは何か…というと、3つ以上の音を重ねた状態のこと。楽譜に表記する場合や他のミュージシャンとコミュニケーションするときに、いちいち「次はドミソね!」とか「ファラドミを弾いて!」と表現するのは非効率的。そこで、「コード・ネーム」という記号に置き換えて表現しています。コード・ネームにも規則性があるのですが、これは後ほど詳しく紹介します。コードは、かけ算の九九のように丸暗記してしまうのも1つの手段ですが、仕組みがわかってしまえば、暗記する必要はなし。ここからの内容を覚えていただければ、コードネームを聞いた瞬間に、パッと構成音がわかるようになります。

譜例3は最もベーシックな「Cコード」の構成音。一番音程の低い音を「ルート音」と呼び、その上に積み重ねる音は第3音、第5音と呼びます。メジャー・コードとマイナー・コードは第3音だけなので、すぐに理解できるはずです。

▲譜例3 3つの音を重ねてできた和音が3和音(トライアド)です。一番下の音からルート音、第3音、第5音と呼びます

メジャー・コードの考え方

CとかFとかG…最もシンプルなメジャー・コードから見ていきましょう。メジャー・コードは「ルート音+長3度+完全5度」を組み合わせた3和音です。理論書的に書くとこんな感じですが、感覚的にわかりにくいですよね(譜例4)。

▲譜例4 メジャー・コードは、ルート音+長3度+完全5度で出来上がるコードです

逆に言えば、このような表現を理解するために音程を知っておく必要がある…ということなのですが、ここではちょっとズルをしましょう。前回紹介した「図1」を思い出してください。

長3度=M3は、「ミ」の位置なので、ルートのCから数えるとド#→レ→レ#→ミと「鍵盤4つ分」の距離になります。次に完全5度ですが、ミの音から考えると短3度の距離にある音と言い換えることができます。ここで、同じように短3度=m3はド#→レ→レ#と「鍵盤3つ分」の距離にあることがわかります。あとは、ルート音からこの数を数えていきましょう。

Cメジャーは、ルート音が「ド」。第3音はドから鍵盤4つ分離れた「ミ」。第5音はミから鍵盤3つ分離れた「ソ」を足せばCメジャーのコードが完成する! という具合です(図2)。

▲図2 ルート音から数えて鍵盤4つ離れた音を第3音に。さらに第3音から鍵盤3つ分離れた音を足すことでメジャー・コードが完成します

これはルートが変わってもまったく同じ。例えばEメジャーの場合は、ルート音が「ミ」です。そこから鍵盤4つ分離れた「ソ#」、さらにそこから3つ分離れた「シ」が構成音。ルート音がシャープになろうがフラットが付こうが、すべてこのように考えることができます。

長3度とか短3度…なんて言われるとパッと理解しにくいと思いますが、基準とする音からの数で考えるととてもシンプルです。1(ルート)+4+3でメジャー・コードになる…なんて覚えてしまってもOKかもしれませんね。

マイナー・コードの考え方

メジャー・コードに比べると、どこか暗く、哀愁ある響き。そんな風に表現されることの多いマイナー・コードですが、「ルート音+短3度+長3度」の順で音を積むことで構成されています(譜例5)。ちょうど、メジャー・コードの長短が入れ替わった状態ですね。

▲譜例5 マイナー・コードは、ルート音+短3度+完全5度で出来上がるコードです

コードがメジャーだろうがマイナーだろうが、長3度は鍵盤4つ分、短3度は鍵盤3つ分という位置関係は変わりません。つまり、1(ルート)+3+4の音を積めばマイナー・コードになる。たったコレだけです。例えばCmの場合は、ルート音が「ド」。第3音は短3度なのでドから鍵盤3つ分離れた「ミ♭」。第5音はミ♭から鍵盤4つ分離れた「ソ」という具合(図3)。当然、ルートが変わってもこの法則は変わりません。

▲図3 ルート音から数えて鍵盤3つ離れた音を第3音に。さらに第3音から鍵盤4つ分離れた音を足すことでマイナー・コードが完成します

たった2つのことを覚えるだけで、コードはこんなに簡単に考えることができるんです。

その他の3和音

増3和音、減3和音など、それ以外の3和音も存在しています。増3和音とは、長3度と増5度で構成された音。つまりメジャー・トライアドの5度の音を半音上げた状態のコード。ルートがCの場合はドミソ#。Fの場合はファラド#といった具合になります。コードネームは「増」を表す「●(ルート音)aug」と書かれます(例、Caug、Faug)。

減3和音は、短3度と減5度で構成された和音です。こちらは、マイナー・トライアドの第5音を半音下げた状態と考えることができます。Cの場合はドミ♭ソ♭となります。コードネームは「減」を表す「●(ルート音)dim」で書かれます(例、Cdim、Fdim)。

また、少し特殊なのがサスフォー(sus4)というコード。これはルート音に完全4度と完全5度の組み合わせで作られます。メジャー・トライアドの長3度の音を半音引き上げて、浮遊感を出した音…と捉えるとわかりやすいと思います。

4和音の仕組みを知る

3和音+1

続いて4和音を見ていきましょう。その名の通り4つの音を重ねてできる和音。3和音より一気に難しくなる…と感じる人も多いかもしれませんが、まったく新しいものではなく、あくまで3和音に1音足しただけ。足した音は第7音と呼びます。これを見てわかる通り、3和音の考え方がそのまま活かせますので、ここまでの内容がわかっていれば何も難しいことはありません。

少し見方を変えると、4和音は3和音にさらにバリエーションを与えたコードと考えることもできます。ここで、再度図1で7度の音を確認してみてください。7度には長7度と短7度という2つの種類があります。そして、第5音から考えると、長7度は鍵盤4つ分。短7度は3つ分の距離にある…という3和音の法則がそのまま流用できることがわかるはずです!

セブンス・コード

メジャー・トライアドに、短7度の音を重ねて出来上がるのが「セブンス・コード」です。メジャー・トライアドは1+4+3でした。短7度は、第5音から数えて3つ分の距離にありますので、1+4+3+3の音が、このコードの構成音ということになります。ルートがCの場合は、ドミソ+シ♭(ソから鍵盤3つ分)ですね。

セブンス・コードは、「●(※ルート音)7」と表記されます(例、C7、E7、G7…)。7thの部分で短を表すmは省略されることに注意してくださいね!

 

メジャー・セブンス

同じくメジャー・トライアドに、今度は長7度の音を重ねることで出来上がるのが「メジャー・セブンス・コード」です。長7度なので、第5音から4つ離れた位置の音を足せばOKです。ルートがCの場合は、ドミソ+シ(ソから鍵盤4つ分)になります。

メジャー・セブンス・コードの場合は「●(ルート音)M7」と表記されます。(例、CM7、EM7、GM7…)。また△7やmaj7と表現されることもありますが、どれも同じメジャー・セブンス・コードのことを指しています。

 

マイナー・セブンス

次に、マイナー・トライアドをベースにした4和音です。マイナー・トライアドに短7度の音を重ねて出来上がるのが「マイナー・セブンス・コード」です。マイナー・トライアドは1+3+4。そして短7度はさらに+3なので、1+3+4+3で、このコードが組み上がります。ルートがCの場合は、ドミ♭ソ+シ♭となります。

マイナー・セブンス・コードは、「●(ルート音)m7」と表記します(例、Cm7、Em7、Gm7…)。セブンス・コード同様、7thの部分のmは省略されるので、Cmm7のようにはなりません。

 

マイナー・メジャー・セブンス

マイナー・トライアドに長7度を重ねた「マイナー・メジャ−・セブンス・コード」です。マイナーとメジャーがミックスされているので、ちょっと変な感じの呼び方になっていますが…、マイナーの部分はトライアドに、メジャーの部分は7thに掛かっています。ルートがCの場合は、ドミ♭ソ+シ(ソから鍵盤4つ分)になります。

マイナー・メジャー・セブンス・コードは「●(ルート音)mM7」と表記します(例、CmM7、EmM7、GmM7…)。

 

「絶対わかるコード理論 – 第3章.コード・ネームの仕組みと音階、進行」に続きます。