本当はもっといろいろな要素があるのですが、これだけ知っていればグッと曲のバリエーションや深みは広がるはずです。最後に、定番のコード進行をいくつか紹介します。コード進行には著作権はありませんので、真似し放題!

コード進行のバリエーションを持っていることは、曲作りの引きだしを増やすということ。進行によって印象が変わったり、メロディーを乗せやすいもの、乗せにくいものがあるので、まずはいろいろ試してみてください。

3コード型

T、SD、Dという主要3和音だけで構成されたコード進行は、コード進行の基礎中の基礎。シンプルながら、突き詰めていくと奥が深く、複雑な進行もこれがベースになっているものがほとんどです。

I → IV → V → I

本文中に何回も登場していますが、コード進行を考える上でやはり外せないスタンダード中のスタンダード。I-IV-V-I-VI-Vと、ドミナントからトニックへと何度も繰り返すことができるので、シンプルな曲であればこの進行だけで何曲も作れるはずです。

またドミナントのVをV7とすることで、よりトニックへの進行感を強くし、動きを強調することができます。VとV7のどちらを使うかによっても雰囲気は変わってきますので、曲調によって使い分けてみてください。

I → V → IV→ I

サブドミナントとドミナントの場所を入れ替えるだけでも展開を作ることができます。IV – Iというサブドミナント終止になることで、少し柔らかめに、ソフトに着地するようなイメージになります。賛美歌のアーメンで使われていることでも有名です。

また、サブドミナント終止の終わりがはっきりしない特性を活用して、I-V-IV-I-I-IV-V-Iのようにドミナント終止と組み合わせて発展させるパターンもよく使われます。

IV → I → V→ I

何も、必ずトニックから始まらなくてはいけない! なんて決まりはありません。、サブドミナントから始めることで聴き手の期待を裏切り、曲の中にアクセントを付けるのに有効な手法。サビをあえてトニックで始めないなど、フックにしたい場所で活用すると面白いです。

単純にIV-V-I でも良いのですが、この例では1 度IV-I のサブドミナント終止で終わったように見せてから、実はまだ続き、V-I のドミナント終止でカッチリ閉じるというトリック的な要素を持っています。

I7 → IV7 → I7 → V7

3つのコードをすべてセブンスにして配置すると、ブルース的な響きを作ることができます。ブルース自体は基本的に12小節を1つの単位として繰り返していくのが特徴ですが、そこで出てくるコードを取り出し、ポピュラー的に配置したのがこの例。セブンスを外しても、十分それっぽく聴かせることができます。

 ブルースの曲だけでなく、ロックやポップスのセクションに取り入れても面白い効果が得られますよ!

4コード型

ダイアトニック・コードを組み合わせることで、コード進行のバリエーションを爆発的に増やすことができます。より実戦的なコード進行なので、メロディーも乗せやすいはずです。

I → VIm → IV → V

トニック・コードで始まり、いくつかのコードを経てトニック・コードに戻る。永遠にループできるこのような進行を循環コードと呼びます。循環コードの中でも最もベーシックなのが、この進行です。

I-IV-Vという進行のトニックを2小節続け、2小節目を代理コードであるVImに置き換えたのがこの進行。たった1音加わるだけで、一気に彩りが加わります。代理コードや裏コードを組み合わせることで、膨大なコード進行のバリエーションを作ることができます。

I → VIm → IIm7 → V7

基本の循環コードのIVを、代理コードのIImに置き換えることで、イチロクニーゴーと呼ばれる超定番のコード進行に変化します。仕組みとしては、IVをIImに置き換えることで、VIm – IIm – Vと完全5度下行(完全4度上行)という動きになり、よりスムーズにコードを繋げることができます。

あらゆるジャンル、セクションで使いやすい進行なので、曲作りをする上でまず最初に覚えてしまいましょう! ちなみに、VImはVI7に変化させたり、IIm7に行く前にIVを挟んでI – VIm – VI – IIm7 – V7としてもかっこ良いですよ!

VIm → IIm7 → V7 → I

イチロクニーゴーをVImからスタートさせた進行です。ルート・ノートに注目すると、すべて完全5度下(完全4度上)に進んでいるのがポイント。耳に残りやすい、ハッキリとしたコード進行を作ることができます。

バリエーションとしては、IIm7の代わりにIVを使うのもアリ。するとVIm – IV – V – Iという、小室哲哉氏が多用したことで知られる進行に変化します。マイナーからメジャーにつながるのがポイントです。

IV →V → I → VIm

基本の循環コードをサブドミナントからスタートさせたのがこのタイプ。トニック以外から始まって循環していく進行のことを逆循環コードなどと呼び、こちらも定番。例えば、サビ頭で使うと効果的です。

バリエーションとしてIをIIImに置き換えると、進行からトニックが消えることで独特の浮遊感になり、日本のヒット曲で多用されている定番進行です。特にサビでの使い勝手の良さは特筆すべきものがあります。

I →V → VIm → IIIm→ IV→ I → IV→ V

他のコード進行とは少し毛色が違いますが、パッヘルベルのカノンで使われたことから、カノン進行と呼ばれているのがこのタイプ。非常に安定感のある進行で、ヒット曲にも多く見られます。

バリエーションを作りやすいのも特徴。例えば最後のIVをIIm7に置き換えてツー・ファイブにしたり、オン・コードを使ってベースが半音ずつ下げていく。後半を他の進行と置き換える…などちょっとしたアイディアでどんどん変化を作れ、かつメロディーも乗せやすいのが定番進行たる所以でしょう。