音楽を作る上で、今や欠かすことができないDAWシステム。打ち込みだけで曲を作るクリエイターはもちろん、弾き語りやバンドであっても、自分たちの演奏を録音作品に仕上げる時にはDAWシステムを使うことになります。今回は新年のスタートということもあり、改めてDAWシステムの概念について紹介していきます。音楽を作る/楽器を弾く人なら、使わなくちゃ損! まだ始めていない人も、ぜひこの機会に挑戦してみてください。

本記事は「前編(本記事)」と「後編(2月17日公開)」の2部構成です。

やりたいことは、何でもできる

DAW(ディーエーダブリュー/ダウ)は「Digital Audio Workstation」の略称ですが、こう言われても具体的に何ができる機材なのか、イメージできる人は少ないと思います。またDTM(Desk Top Music)という言葉もありますが、どちらもパソコン上のソフトに演奏を録音したり、編集、打ち込みをして曲を作っていくシステムのこと。DAWやDTMという機材があるのではなく、パソコンを核にした音楽制作システムの総称です。つまり、曲作りに必要な機能や便利なツールを統合したものがDAWシステムということになります。

そんなDAWシステムでできることは、多岐にわたっています。大きな軸になるのが「楽器の演奏を録音すること」、「演奏できない楽器を、打ち込みで再現すること」、「それらを組み合わせたり編集して、音楽作品に仕上げること」。この3つです。つまり、DAWシステムがあれば、曲作りからアレンジやレコーディング、ミキシングなど、レコーディング・スタジオで行うような作業が、自宅のパソコン内で再現できるということです。

DAWは難しい?

よく言われるのが「DAWは難しい」という言葉です。DAWをやらない理由のNo.1といっても良いでしょう。確かに、普通に楽器を弾いているだけでは耳にすることのない専門用語が当たり前のように使われています。これから導入しようと思った時には、覚えなくてはならないことがあるのは事実です。ですが、DAWを使う上で必要になるのはあくまでソフトや機材の「使い方」。楽器のように上手く弾けるようになるために時間を掛けて練習する必要はありません。

もっと言えば、使い方もすべてを覚える必要はまったくないのです。例えば、DAWソフトには膨大な数の機能が搭載されており、マニュアルにすれば数千ページ。これを見てしまうと「難しそう」とか「面倒臭そう」と思ってしまうのも仕方のないことでしょう。しかし、誤解を恐れずに言えば、この大半はこれから始める段階では不要な情報です。

作りたいジャンルが違えば、必要となる機能も変わってきます。同じジャンルにしても、作る方法は人それぞれ。DAWソフトはそんな多種多様なニーズに応えるべく、ありとあらゆる機能を搭載して進化してきました。何が言いたいかと言うと、すべての機能を覚える必要はまったくないということです。

膨大な数の機能の中で自分にとって必要な機能や項目だけを知っていれば、通常の曲作りで困ることはまずありません。曲作りに必須の機能というのは、実はそう多くないのです…。

必須の機材は3つだけ

DAWをはじめるために必要な機材について紹介していきます。

DAWソフト

まずは肝心要となるDAWソフト。これがなければ始まりません! ページ下部に、現在主要と言われている12種類のDAWソフトを紹介しています。曲を作るために必要となる基本的な機能は、全ソフトが搭載しています。そういう意味ではどのソフトを買っても失敗することはありませんので、友達や楽器店の店員からのオススメ通りに選んでしまってもOKでしょう。なお、ソフトを選ぶ場合には、自分が使っているパソコンのOSで動くかは、しっかり確認しておきましょう。

オーディオ・インターフェイス

パソコンに音を録音したり、DAWソフトの音を再生するための機材です。価格はピンキリですが、初めて買うなら手頃な価格の入門機でも十分良い音で録音/再生が行えます。

モニター環境

最後は、DAWソフトの音を聴くためのモニター環境です。専用のモニター・スピーカーが理想ですが、まずは今持っているヘッドフォンやイヤフォンでもOKです。

1万円〜でも十分始められる!

ソフトによっては、いくつかのグレードがラインアップされています。上位グレードになるほど、付属する音源やエフェクトの種類や質が充実していくので、予算との兼ね合いで考えることになるでしょう。

なお、オーディオ・インターフェイスにはオマケでDAWソフトが付いてくる場合も多いので、そういったモデルを選べば1万円〜程度の予算でも十分始めることができます。

Ableton / Live9 Standard

独自の操作とワークフローを追求し、その名の通りライブ感覚でリアルタイムにトラックメイクが行えるのが特長の人気DAWソフト。

ACOUSTICA / Mixcraft 7

シンプルかつパワフルなDAWソフト。オーディオやMIDIはもちろん、ビデオ・クリップまで制作できるのが大きな特長。

Apple / Logic Pro X

イメージを具現化する各種ツールと、膨大な数のプラグイン群を統合。GarageBandとの互換性も備えた究極のDAWソフト。

AVID / ProTools12

商業スタジオのスタンダードDAWソフト。業界をリードするテクノロジーと、シンプルかつスピーディーなワークフローが持ち味。

BITWIG /BITWIG STUDIO 2

タイムライン・シーケンサーと、ノンリニアのクリップ・ランチャーを統合し、直感的なワークフローを可能にする次世代DAWソフト。

IMAGE LINE / FL STUDIO 12

EDM界を中心に絶大な支持を集めるDAWソフト。各機能が有機的に統合することで、制作意欲を刺激する理想のワークステーション。

INTERNET / ABILITY 2.5 Pro

音楽制作を強力にサポートすべく、進化を続ける国産DAWソフト。ほかに類を見ない抜群の操作性と入力/編集機能が魅力。

MOTU / Digital Performer 9

長年にわたりプロフェッショナルに愛され続ける老舗DAWソフト。高い信頼性を誇り、精度の高い音楽制作を可能にする定番ツール。

PreSonus / Studio One 3

洗練されたウィンドウと直感的に使える機能、そして先進テクノロジーを投入。インスピレーションを刺激する次世代DAWソフト。

Propellerhead / Reason 10

ユニークなインストゥルメントとエフェクトを統合した唯一無二の音楽制作ツール。創造力を妨げないシンプルな操作も特長。

Steinberg / Cubase Pro 9.5

クリエイターから絶大な支持を集めるDAWソフト。音質、操作性、先進機能とDAWに求められる要素を高い次元で実現している。

Tracktion / Waveform

曲作りの邪魔となる要素をそぎ落とし、音楽制作に集中できるDAWソフト。実践的な作曲支援ツールが高い評価を得ている。