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音色を変えずに音圧を上げたい! そんな理想を叶えてくれるマスタリング・ツール

サウンド変化を犠牲にしない

「音圧を稼ぐ」作業に何らかの悩みを持っている方は多いと思います。一番わかりやすいのは音圧を稼げない、という悩み。どんなに頑張っても市販CDのようなラウドなサウンドになる前に音が割れてしまう。また、音圧は稼げているけど、マキシマイザーをかけたときの音質変化が気になっている…という人もいるはず。何となく知識やテクニックが不足しているから…なんて諦めていませんか? Slate Digitalのマスタリング・ツール「FG-X」は、そんな音圧に関する悩みを簡単に解決してくれる、音圧アップの秘密兵器のようなプラグインです。

最近は落ち着いてきているとはいえ、やはり一定の音圧は必要不可欠。昨今はDAW付属エフェクトのクオリティーも高いので、付属マキシマイザーでも一定レベルまでは簡単に音圧を稼ぐことができるはずです。しかし、マキシマイザーをかければかけるほどに音色変化が起こるという副作用があります。せっかく何時間もかけてミックス・ダウンで作り上げたサウンドが、たった1つのエフェクトで台無しになってしまう…。

そんな問題を解決すべく、2人の天才によって作り上げられたのがFG-Xなのです。その2人というのが、Slate DigitalのCEOであり、レコーディング/マスタリング・エンジニアとしても高い評価を得ているSteven Slateと、DSPエンジニアのFabrice Gabriel。余談ですが、Fabrice Gabrielは「eiosis」という独自のブランドを立ち上げています。EQプラグインの「AirEQ」は、非常に高音質で使いやすく、マスタリングにも効果的なので、併せてチェックしてみてください。

透明感のあるコンプ

FG-Xは大きくわけて3つのセクションで構成されています。まず最初のセクションが「FG COMP」です。アルゴリズム的にはフォト・オプティカルとVCAが組み合わされているようですが、このコンプはとにかく色が付かないのが特徴。特にリリースを遅めにセッティングすると、ちょっとコンプレッションさせた程度では、本当にかかっているのかわからないレベルなので、GRメーターを見ながら慎重にかけてください。この段階でコンプを使う目的は、音圧稼ぎの下準備としてピークを抑え込むことですので、音が大きなところで1〜2dBもリダクションしていれば十分。音色を変化させることなく、波形のピークだけをまとめあげることができるマスタリングに最適なコンプレッサーです。

ダイナミクスを保ったマキシマイズ

続く「FG LEVEL」は音圧を稼ぐセクションです。画面中央の「GAIN」つまみを回していくだけで、面白いくらい簡単に音圧を引き上げることができるのですが、それだけではないのがFG-Xです。例えば、LO PUNCHとDETAILは、低域と高域の量感や輪郭をコントロールするパラメーター。また「DYNAMIC PERCEPTION」では、つまみを上げるだけでダイナミック・レンジが広がったような印象のサウンドを作ることができます。どちらも、GAINで音圧を稼いだあとに微調整として使うのがオススメです。

また、FG-Xを使う上で最も大きなポイントになるのが「ITP」のスライダー。このパラメーターで、サチュレーションのキャラクターを調整します。スライダーが中央なら透明な。上げ目にするとアタック部分が強調されたようなパンチのあるサウンドに。逆に下げればボトムのしっかりとしたウォームなキャラクターに仕上がります。このセクションを見ると、FG-Xが一般的なマキシマイザーとはちょっと違うことに気がつくことでしょう。

もしFG-Xを使っていて、音が歪むようならばITPのスライダーを調整してみてください。それでも歪むようであれば、ミックス自体が原因になっているケースが多いので、特定の帯域だけ飛び出していないか、元々歪みが出ていないか…などミックスを確認し直してみてください。

そして、作業中にぜひ活用して欲しいのが「CONSTANT GAIN MONITORING」ボタン。このボタンを押すと、出力レベルをGAINで引き上げた分だけ自動的に下げてくれます。音量が大きくなると、それだけ良くなったように聴こえてしまう…つまり正確な判断がしにくいもの。このスイッチをONにし、FG-Xをかける前/後でどのようにサウンドが変化するのかを冷静に比較するだけでも、最終の仕上がりが良い方向に向かうはずです。

信頼性の高いメーター

最後は「METER」セクションです。見落としがちですが、音圧調整を行う上で信頼できるメーターは必要不可欠。ピーク・メーター、RMSメーター、VUメーターの3種類を表示可能で、音量をしっかりと把握することができます。表示される数値が正確なだけでなく、リファレンス・レベルやレンジなどセッティングが細かく設定できるのも特徴。セッティングは3つまで保存し、ボタン1つでリコールできます。

3つのセクションごとに「セッティング」画面が用意され、細かくセッティングを追い込むことができます

音圧に関する悩みは、このプラグインですべて解決。感動をぜひ味わってください。


■販売価格

オープン(実勢価格:1万2,960円前後)

■お問い合わせ先

宮地商会M.I.D.
メーカーの製品紹介ページ

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