studiologic / Numa Compact 2x レビュー
- 2018/10/26
- 製品レビュー
- Studiologic
持ち運べるステージ・ピアノ
鍵盤のタッチの良さで世界中のキーボーディストから人気を集めるstudiologic。中でもステージ・ピアノのカテゴリーで今、最も注目を集めているのが「Numa Compact 2x」です。
Numa Compact 2xは、FATAR製の88鍵盤を採用したステージ・ピアノです。ピアノ鍵盤というと、デカくて重い…つまり、持ち運びが難しいのが当たり前なのですが、重量はわずか7.1kg。サイズもステージ・ピアノとしては考えられないくらいにコンパクトで、88鍵のキーボードを持ち運びたい、という人にイチ押しのモデルです。
驚きなのは、このサイズでステレオ・スピーカーまで内蔵している点です。出力は10W+10Wと十分で、電源をONにすれば、すぐに練習を始めることができます。
軽量・コンパクトのモデルでは、どうしても鍵盤のタッチが犠牲になってしまうことが多いのですが、さすがは鍵盤に定評のあるstudiologic。しっかりとした演奏感は、タッチにこだわるキーボーディストや、普段ピアノを弾いている人でも満足できるでしょう。
3つの音源を搭載
続いて、音源セクションを見ていきましょう。Numa Compact 2xの音源は、大きく分けて3つの要素で構成されています。
まず1つ目がキーボード/シンセサイザーで最もベーシックなサンプル音源です。ピアノやエレピ、オーケストラ系サウンドなど、実際の楽器の音を録音し、それを音源にする方式で、定番のサウンドを100音色収録しています。音質も良く、特にピアノ音色では弦の共鳴を変更するストリングス・レゾナンスも調節可能。好みの質感を追求できます。
2つ目はリアルなオルガン・サウンドを生み出すトーンホイール・オルガン。この音源は、本体の左側にある9本のスライダーを操作することで、簡単にオリジナルの音を作ることができるのが特長です。なお、このオルガン音源は同社のオルガン専用キーボード「Numa Organ」譲りの本格仕様で、演奏しながらスライダーを操作すれば、オルガンならではの音色変化を楽しめます。
3つ目はシンセ音専用のバーチャル・シンセサイザーです。アナログモデリング・シンセサイザーの専用機「Sledge」直系の音源で、こちらも9つのスライダーを操作することで、簡単にオリジナルの音色を作ることができます。ウォームで分厚いシンセ・パッドから、音抜けの良いシンセ・リードまで、魅力的なサウンドが特長です。
スタンダードモデル、Numa Compact 2
サウンドの良さももちろん大事ですが、ライブで演奏するキーボードの場合は使い方がシンプルで、演奏しながらでもスムーズに操作できるかも重要です。
写真を見て分かる通り必要最小限のボタン配置ながら、重要な機能は専用のコントロールに分かれています。例えばスプリットやレイヤーを行うときも、Lower/Upper専用のボタンを押すだけで設定や音色変更が行えますし、2系統のエフェクトはそれぞれが単独のエリアに分かれているので、複雑なメニュー構造やボタン操作は一切不要。変更したいときにパッと使えるのは魅力です。また、オルガンとシンセ・エンジンを省いた「Numa Compact 2(6万5,000円)」もラインアップ。専用エンジンはありませんが、サンプリング音源としてオルガンやシンセ・サウンドは収録されています。
■主な仕様
- 鍵盤:88鍵 TP/9 Pianoセミウェイテッドアクション
- 音源部:TrS(トゥルー・サウンド)テクノロジー、トーンホイール・オルガン(Numa Organ 2相当)、シンセ・エンジン(Sledge相当)
- 最大同時発音数:128音
- スピーカー・システム:10W+10W
- 電源:ACアダプター
- サイズ:1,270(W) x 230(D) x 100(H)
- 重量:7.1kg
■販売価格:9万2,500円(税別)
■お問い合わせ先:銀座十字屋ディリゲント事業部
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