behringer 最新デジタル・ミキサー WING 発表会レポート

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2020年2月14日、都内某所にてbehringer社の最新デジタル・ミキサー「WING」の製品発表会が行われました。その模様を簡単にレポートします。

behringerのデジタル・ミキサーというと2000年代初頭に登場したDDX3216、そして現在もリリースされているX32シリーズと着実に進化を遂げてきました。そしてその最新モデルであり、第3世代となるのが「WING」です。

製品自体は先月すでに発売されており、世界的に話題となっているようです。


behringerの歴史の集大成

発表会の中でも強調されていたのが「behringer 30年の歴史の集大成」である製品ということ。behringerブランドの製品開発・製造、そしてマーケティングを行っているMUSIC TRIBEは、BUGERA, TANNOY, TC ELECTRONIC, TC HELICON, KLARK TEKNIK, TURBOSOUND, AURATONE, LAKE, LAB GRUPPEN, MIDAS…といった各カテゴリーで著名な12ブランドを持つ巨大グループ。

各ブランドの技術を融合し、同時に徹底的なコスト削減を行うことで「半分の値段で、2倍の品質を達成する」を目標に、ユーザーにとって嬉しい製品を提供してくれています。

例えばWINGのアナログ入力には、コンソール・ブランドとして名高い「MIDAS」のマイク・プリアンプを搭載。MIDASが培ってきたコンソール・テクノロジーが、WINGに集約されていると言っても良いでしょう。実際に触ってみると、各機能はそれぞれ効率的な場所に配置されており、初めて触れるにもかかわらず、基本のオペレーションや機能の把握ができた程。とても直感的に扱うことができました。

では、WINGの特徴をいくつか見てみましょう。


豊富な入出力とルーティング

デジタル・ミキサーのメリットの1つは、膨大なチャンネルをスマートに扱える点。WINGは最大で374(XLRアナログ、AUXフォン、AES50 x 3、USB2.0)もの入力を、48チャンネルに自由にルーティングすることができます。

8ch区切り等の製品は多くありますが、WINGでは、各チャンネルごとに入力ソースを選択できるという仕様。例えばch1にはアナログ1。ch2にはAESの40チャンネル目を割り当てる…なんて自由なルーティングが行えます。

フェーダー・セクションも自由に入れ替えることができるので、現場やセッティングに応じて自分好みのカスタマイズができる点は大きなメリットになるでしょう。


各チャンネルのパラメーター

各チャンネルには先述の入力ソースやゲイン調整はもちろん、ALT入力やGATE、COMP、EQ、FXインサートといったパラメーターが用意され、本体に搭載された大型タッチパネル・ディスプレイで感覚的にエディットができます。

ここで使用できるEQやコンプは、よくある1種類固定のものではなく、往年の名器をシュミレートしたモデルを選択可能。例えばSSLやNeveのEQを自由に使うことができます。

また、このチャンネル・ストリップのエフェクトとは別に、「WING FX」と呼ばれる高品位エフェクトを16系統まで使用可能。こちらの内容もすごくて、例えば内8chで使えるプレミアムFXラックでは、TC Electronicが誇るSystem6000やM3000でおなじみのVSS3や、LexiconやEMTといった伝説的な名器をモデリングしたエフェクトが使用可能。残る8chのスタンダードFXラックには、モジュレーションやフィルターといったお馴染みのエフェクトから、ギター・アンプシミュレーターまで用意されています。


システムの拡張性

WING単体でも十分過ぎる性能を誇りますが、外部の機器との連携やシステム拡張が行えるのもポイントです。

例えばオプションのモジュール・カードを追加すれば、WAVES SoundGridテクノロジーをサポート。つまり、イーサネット接続で対応機器と接続することで、お馴染みのWavesプラグインを超低レイテンシーで運用することができるのです!

さらに今後のアップデートではHUI  / Mackie Control エミュレート機能が搭載されるということで、DAWソフトのリモート・コントロールまで対応します。これに限らず、ファームウェアの更新でどんどん機能追加や操作性向上が図られていくということですので、その進化にも期待です!


その他の主な機能と特徴

  • 受賞歴のある8つのMidas PROマイクプリアンプおよびMidas PRO出力を搭載
  • 3つのセクションに分かれた、カスタム設定が可能なモータフェーダーを24基搭載
  • AES50規格に準拠した、3つのAES50ポートを介して最大144の入出力信号を供給し、またKlark TeknikのSuperMACテクノロジーのフィードバックにより、低ジッターおよび低レイテンシーを実現
    *AES50の接続にはSTPケーブルをご利用ください
  • 10インチ、静電容量型のタッチスクリーン仕様の大型メインディスプレイはスイベル等の調整が可能
  • チャンネルエディティングセクションにはタッチセンス付きの11基のロータリーコントロールと、専用TFT液晶のディスプレイを備え、すべてのチャンネルプロパティを監視可能
  • オプションのモジュールカードを使用し、イーサネット端子による64×64チャンネルの音声伝送が可能-WAVES SoundGridテクノロジー*またはDante / AES67テクノロジー*をサポート
    (*各社の製品はbehrinegrの製品ではございません)
  • 48 x 48チャンネルUSB 2.0オーディオインターフェイスにてHUI *およびMackie Control *をエミュレート、DAWをリモートコントロール可能
    (*各社の製品はbehrinegrの製品ではございません)
  • 最大64トラックの録音/再生、およびトラックマーカーを備えたデュアルSDカード ライブレコーダー/プレーヤー WING-LIVEをデフォルトで搭載。
    (*各社の製品はbehrinegrの製品ではございません)
  • ロータリーエンコーダー、ボタン、およびパラメーターディスプレイを備えた4チャンネルコントロールセクションを搭載、メイン、マトリックスセクション等に即座にアクセス可能
  • プレミアムFXラックには、ハイクラスのTCアルゴリズム、Lexicon *、Quantec *、EMT *等の名機のエミュレーションを実現する、8つのトゥルーステレオプロセッサ装備
    (*各社の製品はbehrinegrの製品ではございません)
  • 幅広いレンジのモジュレーション、EQおよびダイナミクス効果を実現する8つのトゥルーステレオプロセッサを備えた標準FXラック(アウトボード効果をミックスにブレンドすることも可能)
  • 王道のビンテージアナログイコライザーとコンプレッサーを備えた40のステレオ入力。各チャンネルすべてに対応する5つの可変プラグインプロセッシングスロット、また8つのステレオAUXチャンネルすべてにFXスロットと4バンドパラメトリックEQをインサート可能
  • 16個のラッチもしくはアンラッチに対応するボタンと、4基のロータリーエンコーダーから構成されるカスタムコントロールセクション。お好みの機能に簡単に設定可能
  • 4つのメイン、8つのマトリックスおよび16のステレオAUXバス、ステレオイメージャーとフルダイナミクスプロセッシング、8バンドのパラメトリックEQ、デュアルインサートを採用
  • リモートコントロール用にスイッチ統合された2つのイーサネットポート
  • 拡張スロットポートが搭載され、オプションでオーディオインターフェイスカードまたはデジタルネットワーキングブリッジ、MADI *およびADAT / WC用のカードを換装可能
  • パーソナルモニタリングまたはアナログI / Oボックス用の低レイテンシーインターフェイスStageCONNECT 32を搭載。

■販売価格:39万9,000円(税別)

■お問い合わせ先:ワタナベ楽器
メーカーの製品紹介ページ


 

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