これがレベルアップの近道だ! 耳コピで完コピのススメ

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自作曲のクオリティーを上げたい! と考えるのはクリエイターなら当然でしょう。皆さんは、そんなときにどのような“練習“を行っていますか?
曲作りというクリエイティブな行為に練習という言葉は、何かミスマッチな感じがするかもしれません。しかし、曲作りやアレンジ、音作りでも「耳」や「感性」を鍛えるという意味では、楽器演奏やスポーツと通ずるものがあるはずです。

「教則本を読む」「ネットで情報を集める」「ひたすら数を作る」といった方法が定番だと思いますが、もう1つ忘れてはいけない練習方法があります。それが「耳コピ」です。誤解を恐れずに言えば、耳コピすることで曲作りで重要な多くのスキルを一気に磨くことができるので、他のどんな練習より効果的。「オリジナル曲を作るから、コピーは不要」というのは間違いで、「オリジナル曲を作るからこそ、コピーが重要」なのです。


耳コピで“引き出し”を増やす

耳コピというと、好きな曲のギターソロやリフをコピーして弾く…。なんてイメージが強いと思いますが、当然、曲作りのスキルを磨きたいときにそれだけでは不十分です。

ではどうするかと言えば、フレーズはもちろん音色に至るまで、曲を構成する全パートを「完全コピー」。つまり、オリジナルとまったく同じ曲をゼロから作るのです。こうすることで、曲がどのように構成されているのかを深く理解できるだけでなく、音色作りやミックスダウンのノウハウまで、曲を作るために必要なすべての要素を1度に学ぶことができます。

この方法は、機械設計やプログラミングの世界では「リバース・エンジニアリング」などと呼ばれ、製品を分解することで構造を分析、そこに詰め込まれている技術や情報を身に付けるという目的で、当たり前のように行われている手法です。クラシックではよく行われている「アナリーゼ(楽曲分析)」の発展系と言っても良いでしょう。

完全コピーで身に付けられる代表的な要素をまとめてみると…

  • 自分がカッコ良いと感じるアプローチやフレージングを具体的に知れる
  • コードの付け方や、メロディーとの関係性を体感できる
  • ヒット曲や最新のアプローチを知れる
  • 音色使いや音作りのスキルを磨ける

と、どれも曲作りの重要スキルばかり。実際に何曲かコピーすれば分かりますが「聞いて頭で考えた」だけと「DAW上で自分で再現する」のでは、理解度も得られる情報量も段違いです。

また、コピーする曲は自分の好きなアーティストやジャンルの音楽に絞らず、逆に普段聞かないジャンルに挑戦するのもオススメです。音楽ジャンルが変われば、当然使われる音色も、音楽的なアプローチも変わってきますから、それまで自分だけでは思いも付かなかったメロディーや進行、音色使いを身に付けることができます。


具体的にどうやるの?

耳コピの凄さが分かったところで、実際にどのような手順でコピーしていくのかを考えてみましょう。ちなみに、ここではDiGiRECOらしくDAWソフトを使うことを前提に、一例を紹介します。

  1. まずは、DAWソフトのトラック上に、コピーしたい楽曲を貼り付けましょう。コピーのしやすさでいえば、カラオケ版があればベストですが、ない場合はボーカル版で頑張りましょう!
  2. 最近の曲であれば、ほとんどテンポは一定で作られているので、テンポを割り出していきます。テンポ検出系のプラグインやソフトを使っても良いですが、慣れていけば曲を聞いただけでなんとなくテンポ感が分かるようになります。タイムラインと波形のタイミングを調整しつつ、クリックと合わせて聞きながらテンポを設定します。
  3. まずは曲の土台となるドラムやベースのパートからコピ−/打ち込んでいくと作業がしやすいでしょう。ある程度ベーシックが組めたら、上モノや草食系のパートを構築していきます。
  4. フレーズの再現と並行して、音色作りも進めていきます。最初から完全に同じ音を作ろうとすると大変だと思いますので、まずは似たイメージの音色を作り、それを使って打ち込み。打ち込み後に他のパートと合わせて聞きながら音色を微調整していく…という手順が良いでしょう。

もちろん必ずしもこの通りにやらなくてはいけない、というものではありませんので、自分のやりやすい方法を探してください。最初は、コピーするのも似た音色を作るのも苦労すると思いますが、曲数をこなしていく内に自然と近づけるようになるはず。必ずレベルアップを体感できるので、じっくりと取り組んでみてください。


耳コピ/完全コピー・コンテストを開催します!

耳コピーに興味を持って頂けたでしょうか?? でも、初めるにも何かキッカケが欲しいですよね?? ということで、誰が1番オリジナルに近づけたか! を競う完全コピー・コンテスト(仮)を開催することになりました!

詳細は追って公開しますが、今回のコンテストはソニーミュージックが主催する「SONIC ACADEMY SALON」とのコラボレーション。ソニーのアーティストの楽曲を課題曲にし、特別にボーカル・パートはオリジナルをご提供頂ける予定です。つまり、腕次第では、市販CDとまったく同じ状態を作ることができる…というものです。

詳しくは近日中にお知らせできると思いますので、ぜひチェックをお願いします!

SONIC ACADEMY SALONホームページ
https://salon.sonicacademy.jp

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