リアルなドラムの打ち込みテクニック – その4
- 2017/6/17
- レポート
- ドラム音源, リアルなドラムの打ち込みテクニック, 打ち込み
DAWソフトで曲作りを始めたばかりの頃は、とにかく打ち込んだり演奏を録音していくこと自体に楽しさを感じるはずです。しかし、慣れてくるともっとカッコ良くしたい! リアルに打ち込みたい! なんて完成度を高めたくなるのは自然な流れ。そんな時に注目したいのが、ドラム・トラック。
単にリズムを刻むだけでなく曲のジャンルや時代感、ノリに至るまでドラムが担う要素は非常に大きいパートです。ドラム・トラックを磨き上げることで、楽曲のクオリティーの底上げが行えるのです。そこで今月は、カッコ良くてリアルなドラム・トラックを作る、ちょっとしたテクニックを5回に渡って紹介していきます。(文:鈴木悠平)
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音を足す
音量、タイミング、音色は打ち込んだデータを調整するという意味合いが強いですが、フレーズ自体に音を足すことでリアルに聴かせることもできます。
その代表例が「ゴースト・ノート」です。これはドラマーがリズムを取るためなどに、本来は譜面にないタイミングで演奏した音のことを言います。多くの場合はスネアに使われるのですが、このゴースト・ノートを打ち込むことによって、生っぽさが一気に増すので、ぜひとも使いたいテクニックです。
打ち込み方は非常にシンプルで、16分裏のタイミングに極めて小さなベロシティ−値で打ち込む、というものです。シンプルな8ビートも、たったこれだけでリズミカルで、勢いが増したような印象になるはずです。ポイントは、とにかくベロシティ−値を抑えること。音が大きすぎるとゴーストではなくなってしまうので、よーく聴いたらわかるかな?程度に設定するのがコツです。
▲オーソドックスな8ビートにスネアのゴースト・ノートを打ち込んだ例
ゴースト・ノートを入れる場所に決まりはありませんが、画面のような場所が王道のスタイルです。ドラマーによってはゴースト・ノートを連打したり、3連にしたり…といったバリエーションがあるので、いろいろ試してみてください。
また、いくら打ち込みを工夫してもリズムが薄かったり、うまくノリが出ない場合は、ぜひパーカッションのトラックを足してみてください。シェイカーやボンゴ、コンガなどをうっすら足すことによって、リズム感が強調されるようになります。ドラム音源によっては、パーカッションのサウンドも収録しているので、それを活用すると良いでしょう。
パターンを作った時にやってしまいがちなミス
自分でゼロからドラム・パターンを作る時に注意したいのが、そのパターンは人間が叩けるフレーズなのか、ということ。特にスネアがロールしている時にもハイハットを刻んでしまう…など、人間の手足の数を超えたフレーズを作ってしまうというのは特にありがちなことです。
フレーズを作ったら、頭の中でドラムを叩く様子をイメージするなど、人間が叩けるフレーズかどうかを確認してみましょう。