3種類のエージェント
Cubaseシリーズでお馴染みのSteinbergの手によるドラム音源がGroove Agent 4です。名前だけ見るとCubaseに標準バンドルされるドラム音源、Groove Agent SE 4の上位版のようにも見えますが、まったくの別モノと言っても良いでしょう。
Groove Agentを見る上で欠かせないのが、製品名にも付けられているエージェントというモジュールです。直訳すると「代理人」という意味の言葉ですが、Groove Agentには、生ドラムを担当するアコースティック・エージェント、ダンス・ビートに特化したビート・エージェント、そしてパーカッションに特化したパーカッション・エージェントという3つのスタイルを用意しています。
ドラマーとビートメーカー、そしてパーカッショニストがスタンバイされており、欲しいサウンドに応じて、その分野に特化したスペシャリストを召還する…といったイメージでしょうか。合計22,000のサンプルと3,800のグルーブが収録され、これらを使うことでユーザーのイメージに沿うリズム・トラックを瞬時に作り出してくれるのです。
アコースティック・エージェント
今回は生ドラムに特化したアコースティック・エージェントを中心に見てみましょう。
まずドラム・キットとしては、バランスの取れたオールラウンドの Studio Kit、パンチ溢れる Rock Kit、温かみのある Vintage Kit の3キットを収録。各キットには2タイプのスネアが用意されており、好みに合わせて切り替えることができます。もちろんキットのチューニングやオーバーヘッド、ルーム・マイクなども収録し、これらをミックスして音作りが可能です。
ミキサー・セクションには最大20本分のマイク・シミュレーターが用意され、各チャンネルにはEQ、コンプレッサー、テープ・サチュレーション、エンベロープ・シェイパーを搭載。ミキサー・セクションのプリセットも用意されています。
リズムを作り出す
多くのドラム音源では、ここから収録されているパターンを探してDAWソフトに取り込むか、自分でMIDI打ち込みをしていきます。もちろんGroove Agentも自分でデータを打ち込んで音源として鳴らすこともできますが、面白いのがスタイル・プレイヤーを使うことで、曲のジャンルや雰囲気を指定するだけで勝手に指示した内容を反映させたビートを演奏してくれるのです!
スタイルは50種類以上収録。イントロ、フィル、エンディングといった曲の進行も含めたパターンを作ってくれるので、ユーザーはそのビートがカッコ良いかどうかを判断するだけ。フレーズはシンプルなのか複雑なのか。そして、演奏の強弱はどうするかという2つの要素をXYコントロールで指定することも可能。自動的に音数に動きを付けることもできたりと、まさにドラマーとセッションしているかのような感覚で使えるのがGroove Agent最大の魅力です。
ハイブリット・ビートを作り出す
その他のエージェントについても軽く見ておくと、ビート・エージェントでは各パッドにサンプルやループを割り当ててビートを作る。パーカッション・エージェントはアコースティック・エージェント同様のスタイル・プレイヤーで、ボンゴやシェイカーといったパーカッションのパターンを生成可能。
これら3つのエージェントは4つまで組み合わせて使うこともできます。つまり、生ドラムとパーカッションを組み合わせたり、生ドラムとリズム・マシンのビートをミックスするといった、ハイブリットなビートも自由自在。イマジネーションをかき立ててくれる、クリエイティブなドラム音源です。
動作環境
●対応OS:Mac OS X 10.8〜10.11、Windows 7〜10●CPU:Intel / AMD デュアルコア・プロセッサー●RAM空き容量:4GB以上●ディスク容量:約10GB以上●プラグイン・フォーマット:AU、VST 2.4、VST 3
お問い合わせ先
ヤマハミュージックジャパン
https://japan.steinberg.net/jp