Takamine / PTU121C レビュー

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エレアコのタカミネ

国内外で多くのギタリストが信頼を寄せているTakamineは、高峰楽器製作所の自社ブランドです。名前を見てわかる通りの国産ギターで、前身となる大曽根楽器製作所が設立されたのは1959年のこと。その後、70年代後半にTakamineブランドが生まれ、次第にエレアコの開発に着手していきます。今では当たり前に使われているエレアコですが、その当時は出始めたばかり。アーティストが満足するアコギのサウンドを保ったまま、PAの大音量で鳴らすことには相当な苦労があったようです。

そして、Takamineが作り上げたのが「パラスティック・ピックアップ」です。当時としては画期的な技術で、ライ・クーダーやグレン・フライ(イーグルス)といったギタリストが愛用。アメリカで「エレアコのタカミネ」と呼ばれるようになり、その後に日本でも話題を集めることになりました。余談ですが、イーグルスの名曲「ホテル・カリフォルニア」のイントロ部分にはTakamineの12弦のエレアコが使われています。

弾きやすい100シリーズ

そんなTakamineはギターにこだわる人も納得の高級モデルを多く手がけるメーカーです。その中で、上位モデルのサウンドと演奏性を受け継ぎつつ、手に取りやすい価格を実現したのがエレアコ100シリーズの「PTU121C」です。

ゆずの北川悠仁氏が路上ライブで愛用していたPT108VNのアップデート・モデルPT121Cはシングル・カッタウェイのコンパクト・シェイプにスケールは630mmと、初めてアコギを手に取る人にも弾きやすい仕様。ショート・スケールは弦のテンションが緩やかになるため、複雑なコードも押さえやすいという特徴があります。小ぶりなボディーとの組み合わせは、ライブでも使いやすいでしょう。

トップ材はメイプルで、バック/サイドはナトー。マホガニー・ネックにローズウッド指板という組み合わせから生まれるサウンドは、とても美しく、音楽的な魅力に溢れています。

プリアンプにはオリジナルのCT-4BII(PTU)を採用。ボリュームと3バンド(LOW/MID/HIGH)のEQスライダーと、シンプルながら欲しいサウンドを簡単に作り出すことができます。もちろんチューナーも内蔵しており、エレアコとして演奏しない時にも単独で使うことが可能です。

エレアコが有名なTakamineですが、高い評価を得ているのは純粋なアコースティック・ギターとして魅力的だからに他なりません。大人になっても、長く愛用していける1本です。ショート・スケールを採用し、ナット幅は42mmとスリムですが、ボディーにはしっかりと厚みがあり、押さえやすいネックから得られる演奏性の良さで、高いパフォーマンスを発揮してくれることでしょう。

ダイヤの形をモチーフにした、美しいポジション・マークも魅力です

ボディーには高級感溢れる美しい木目が見えます。細部まで丁寧に作られています

オリジナルのプリアンプを搭載。3バンドのEQで音色調整が行えます


■販売価格:9万6,000円(税別)

■お問い合わせ先:高峰楽器製作所
メーカーの製品紹介ページ


 

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