人気オーディオ・インターフェイス 10モデルのサウンドを聴き比べよう!

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人気の10モデルのサウンドを聴き比べよう!

本記事では、人気オーディオ・インターフェイス10モデルのサウンドをお聞き頂けます。各モデルで同じ音声ファイルを再生。それぞれをマスター・レコーダーに録音しています。※24bit / 48kHzの非圧縮wav

DA部分だけのテストですし、マスター・レコーダーを通っています。また、マイク・プリアンプやADを使う場合や、スピーカー直ならもっと顕著に差が出ることを念のため補足しておきます。

本ページではアコギのサンプルを公開していますが、ロック系、EDM系、オーケストラ系のサンプルも用意しています。サンプルは、以下のリンクからダウンロードしてください。

サンプルファイルをダウンロード


Antelope Audio / Discrete 4

ピュアなサウンド

オーディオ・クロックやハイエンドAD/DAコンバーターなどがプロフェッショナル・ユーザーから高い評価を得ているAntelope Audio。その高いサウンド・クオリティーと機能群を手の届く価格で実現した最新モデルが「Discrete 4」です。

その名の通り、コンソール・グレードの6トランジスタ・ディスクリート・マイクプリを4系統搭載。ADコンバーターは121dBというダイナミック・レンジを誇ります。

4系統の入力端子のうち、フロントの2系統はHi-Zにも対応。アナログ出力はステレオ1系統のモニター出力に加え、4系統のTRSライン・アウトとヘッドフォン端子も4系統搭載しているのも特長です。デジタルはADAT入出力とS/PDIF入出力がそれぞれ1系統ずつと、あらゆるシステムに対応可能です。

気になるサウンドは、極めてナチュラル。「何も足し引きしない」という表現がぴったりで、高級オーディオのような色気も感じる。そんな不思議なサウンドで、ミックスやマスタリングを楽しみつつ、精度の高い作業が行えます。

出音に大きな影響を与えているのは、やはり同社が持つアナログとクロックの技術でしょう。OCX HDといった専用機と同等の、第4世代 64-bit AFC(Acoustically Focused Clocking)テクノロジーによるクロック管理アルゴリズムが搭載されています。

最新のモデリング・エフェクト

また、Antelopeのオーディオ・インターフェイスの大きな魅力が、 FPGA FXです。数十種類を超えるスタジオ定番のコンプレッサーやイコライザーといったアウトボード、アンプ・シミュレーターなどをCPU負荷なく使用することが可能で、とても無料で使えるとは思えないクオリティーに仕上がっています。

また、マイク・プリアンプ部にもプリアンプ・モデリングが使えたり、EdgeとVergeというマイクと組み合わせることで、マイク・モデリングまで可能になるという充実ぶりです。

マイクプリ、クロック、エフェクト…と内容を考えると驚きのコスト・パフォーマンスです。

 

【主な仕様】

●サンプリング・レート:32〜192kHz●インターフェイス:Thunderbolt、USB●アナログ入力:4(うちマイク・プリアンプ4系統)●アナログ出力:6●デジタル入出力:オプティカルx1、コアキシャルx1

■価格:10万9,080円(税込)〜 ■連絡先:Antelope Audio Japan


Apogee / Element 46

極限までシンプルを追求

古くからプロフェッショナルが絶大な信頼を寄せてきた名門Apogee。Symphony I/O Mk IIやEnsemble Thunderbolt、そしてリスニング・デバイスGrooveといったモデルは、いずれも音質で高い評価を得ています。これらのモデルで培った技術を凝縮して生まれたのがMac専用Thunderboleオーディオ・インターフェイス「Element 46」です。

Element 46を見て、多くの人が驚くのではないでしょうか。ディスプレイもなければ、どんなモデルにも必ず付いている「つまみ」類もゼロ。本体に付いているのは、本当に入出力端子だけです。

すべてのコントロールは、Element Control Software for Mac。またはiOSデバイス上のElement Control Mobile Appからリモート・コントロールするという方式。また、Logic Pro Xで使う際には、入力ゲインやソースはLogicのチャンネル・ストリップから直接アクセス可能。設定はプロジェクト・データ内に埋め込まれ、リコールも可能というApogee製品ならではの恩恵を受けることができます。

伝統を継ぐApogeeサウンド

アナログ入力は4系統で、いずれも0〜75dBという広いゲイン・レンジを持ったマイク・プリアンプを搭載。アナログ出力はXLRのモニター出力とヘッドフォンが2系統。オプティカル・デジタル入出力を備えているので、同時に12イン/14アウトを実現しています。ワードクロック入出力を搭載しているのもポイントです。

肝心のサウンドは、レンジが広く奥行きの表現にも優れるApogeeサウンド。Symphony I/OやEnsembleといった上位モデルに通じるナチュラルさがありつつも、明確なキャラクターが味わえます。ソースのジャンルを問わず、魅力的なサウンドを聴かせてくれます。

パフォーマンスも96kHz、32バッファ設定時のラウンド・トリップ・レイテンシーが、わずか1.41msecとトップクラス。グレード・アップに最適です。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:Thunderbolt●アナログ入力:4(うちマイク・プリアンプ4系統)●アナログ出力:6(ヘッドフォン2系統含む)●デジタル入出力:オプティカルx1(ADAT、SMUX、S/PDIF対応)

■価格:11万8,000円(税込) ■連絡先:メディア・インテグレーション


audient / iD22

質実剛健。飾らないサウンド

英国のコンソール・ブランドであるaudientが、長年のコンソール設計で培った技術をフル投入して作り上げたデスクトップ・スタイルのオーディオ・インターフェイスが「iD22」です。

しっかりと堅牢なボディーに、2系統のアナログ入力と6系統のアナログ出力、さらにオプティカル端子を搭載。最大で10イン14アウトが利用可能です。

iD22の魅力は、何と言ってもサウンド。2系統のマイク・プリアンプは、ヨーロッパ圏を中心に高い評価を得ているaudientコンソールを移植。同価格帯のオーディオ・インターフェイスで当然のように使われるICチップを使わない、ディスクリート・トランジスターを採用しているのがポイント。非常にクリアでクセがないのですが、オケの中に入れるとしっかりと浮き上がってくる…そんな存在感のあるサウンドです。

ADコンバーターには、Burr-BrownのPCM4220を、DAコンバーターは同じくBurr-BrownのPCM1798を採用。歪み感もなく、レンジの広さと、どっしりと腰の据わったサウンドが印象に残ります。

制作システムの中枢として

オーディオ・インターフェイスの機能に加えて、スピーカー切り替えやミュート、トークバック、キュー・ミックスといったモニター・コントローラー機能を搭載しているのも見逃せません。ミキサー・ソフトを使うことで、キュー・ミックスやルーティングを細かくカスタマイズすることもできます。

また、コンソール・ブランドらしいのが2系統の入力に用意されたインサート/リターン端子の存在です。EQやコンプをかけ録りしたり、外部HAを使う際に本体プリアンプをバイパスできたり…と、細部までこだわって設計されているのが印象的です。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜96kHz●インターフェイス:USB 2.0●アナログ入力:2(うちマイク・プリアンプ2系統)●アナログ出力:6(ヘッドフォン2系統含む)●インサート/リターン:2系統●デジタル入出力:オプティカルx1(ADAT、SMUX、S/PDIF対応)

■実勢価格:8万円(税抜)前後 ■連絡先:オールアクセス


RME / Babyface Pro

バスパワーとは思えないサウンド

プロ/アマ問わず人気のRME。ラインアップの中で、最もコンパクトなモデルが「Babyface Pro」です。

本体は片手で楽々持てるほどコンパクト。背面にXLRタイプの2系統のアナログ入出力。右側面にインストゥルメント入力やヘッドフォン出力。そして左側面にはオプティカル・デジタル入出力と、MIDI(ブレイクアウト・ケーブルを使用)が所狭しと並び、同時入出力数は、驚きの12イン12アウトを実現。メインのインターフェイスとしてシステムの中枢を担ってくれます。

重ねて驚きなのが、USBバスパワーで動作する点です。外部電源の供給も可能な設計になっていますが、2系統のマイク・プリアンプにファンタムを入れても、まったく問題なく、安定して動作してくれます。

バスパワー動作のモデルでは、利便性の反面でどうしても音質が犠牲になることもありますが、少なくともBabyface Proに関してはその心配はないでしょう。RMEらしく低域から高域までクセがなく、クリアで歪み感もありません。細かい楽器の定位やちょっとしたダイナミクス変化をしっかりと聴き取れるピュアなサウンドは、まさしく“Pro”の名にふさわしいもの。ジャンルや好みを問わない、汎用性の高いサウンドです。

抜群の信頼性

また、安定性やパフォーマンス、機能、製品寿命といった信頼性の高さもRME製品の魅力。高度で柔軟なルーティングが行えるTotalMix FXや、ハードウェア上で動作するメーター/アナライザー・ツール群であるDIGICheck。低レイテンシー設定でも抜群の安定性を誇るドライバーなど、オーディオ・インターフェイスに求められるすべての要素が高い次元でまとめられています。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:USB2.0(3.0端子でも動作)●アナログ入力:4(うちマイク・プリアンプ2系統)●アナログ出力:4(ヘッドフォン含む)●デジタル入出力:オプティカルx1(ADAT、SMUX、S/PDIF対応)

■実勢価格:9万9,800円(税込)前後 ■連絡先:シンタックスジャパン


Roland / Rubix 44

伝統のエッセンス

USB オーディオ・インターフェイスのスタンダードとして、UA シリーズやCAPTUREシリーズで業界を牽引してきたRoland。手の届きやすい価格とクオリティーのバランスの良さは、大手ブランドならではと言えるでしょう。その伝統を受け継ぐのが「Rubix 44」です。

モデル名の通り、4 イン4 アウト構成で、すべてアナログ入出力というシンプルな構成。4系統の入力は、すべてマイク・プリアンプを搭載しているので、マイクを工夫すればドラム録音も十分可能です。マイク・プリアンプは、新開発のものということですが、クセがなくスッキリとしたサウンドです。マイクや楽器のキャラクターを生かしたサウンド作りが可能です。

本体で目を惹くのが、各入力ゲイン・コントロール上に付けられたLED。これはレベル・インジケーターの役割を持っており、レベルが入力されるとグリーンに、-3dB になるとレッドに点灯してクリップを確認できるというもの。LED は上面からも見えるように工夫されています。

また面白いのが、コンプレッサー/リミッターが内蔵されている点です。リア・パネルで3 段階の動作切り替えと、機能のON/OFFとスレッショルドというシンプルな構成で、音作りというよりも、入力音のピークを防ぐのが主な役割。わざと過入力を入れてみても、サウンド変化は最小限に抑えてくれるので、念のための保険という意味では非常に便利ではないでしょうか。

存在感のあるサウンド

DAのサウンドも非常に好印象です。Rubix44 は、今回テストしたモデルの中で最も安いモデルですが、ローランドらしい中域のどっしりとした存在感溢れるサウンドは健在で、ワンランク上の価格帯のモデルと比較しても決して引けを取りません。

Mac やiOS 環境ではOS 標準ドライバーで動作するため、ドライバーのインストールは不要。Windows 10であればネットワークからの自動インストールが行えます。また、OS を問わず複雑なミキサーやルーティングは一切不要。音楽に集中できます。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:USB2.0●アナログ入力:8(うちマイク・プリアンプ8系統)●アナログ出力:8●ヘッドフォン:2●デジタル入出力:オプティカルx2

■実勢価格:3万1,950円(税抜) ■連絡先:ローランド


SPL / Creon

本格モニター・コントローラー

数多くのスタジオ機器を作り上げてきたドイツのハイエンド・アウトボード・ブランドSPL。アナログ・デバイスが高い評価を得ているSPLの持つ技術の粋を集めたのが「Creon」です。

デスクトップ・スタイルのボディーはしっかりとしたメタル製で、ボディー・トップには大型のつまみとボタンが整然と配置。各つまみの操作感も抜群で、止めたい場所でスッと止まってくれます。

2イン2アウトのオーディオ・インターフェイス、モニター・コントローラー、マイク・プリアンプの3つの機能をまとめたのが、Creonの大きな特長。これだけでは特別変わった製品に見えないかもしれませんが、よくあるモニター・コントローラーの機能を備えたオーディオ・インターフェイスではなく、「フル・スペック」のモニター・コントローラーと高音質オーディオ・インターフェイスという2つの機材を1つの筐体にビルトインする…という仕様になっているのです。

モニター・ソースの切り替えや、一時的にモニター・レベルを20dB落とすDIMといった必須機能から、インプット・ソースとDAWや外部ソースの音量バランスを個別にミックス/設定できるキュー機能まで網羅。これらは、パソコンがなくてもスタンドアローンのモニター・コントローラーとして使うことができるので、後々オーディオ・インターフェイスをグレードアップした場合でも、Creonを使い続けることができるのです。

信頼して使えるサウンド

オーディオ・インターフェイスとしてのサウンド・クオリティーも申し分ありません。低域から高域までムラがなく、適度なパンチと奥行き感、アタックの表現に優れたサウンドは、業務用機器のような風格。安心して使用できるでしょう。操作感も良いので、自宅で楽器レコーディングを頻繁に行う人にもオススメの1台です。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:UB3.0●アナログ入力:10(うちマイク・プリアンプ8系統)●アナログ出力:10●ヘッドフォン:2●デジタル入出力:オプティカルx1、コアキシャルx1●MIDI入出力:1系統

■価格:6 万2,500 円(税抜) ■連絡先: エレクトリ


Steinberg / UR824

8系統のD-PRE

人気のDAWソフト、Cubaseシリーズでもお馴染みのSteinbergのUSBオーディオ・インターフェイスがURシリーズです。シリーズには、導入しやすいエントリー・モデルから、様々なシステムやニーズに合わせたバリエーションがラインアップされています。そのフラッグシップ・モデルが「UR824」です。

1Uサイズにアナログ8イン8アウト、ADATオプティカル入出力2系統の合計24イン24アウトを実現しています。

まず注目したいのが8系統搭載されたD-PRE。URシリーズをはじめ、YAMAHA製のミキサーなどにも採用されて好評のディスクリートClass Aマイク・プリアンプです。ホットとコールド信号、それぞれに2基のトランジスターをカスケード接続するという設計なのですが、これが非常にクリアで歪み感がないナチュラルなサウンド。特にボーカルやアコギのようなダイナミクスの大きな楽器には最適です。

逆に色付けが必要な場合は、録音後にプラグインで行って…という、現代ならではのアプローチを最大限に生かすためにも、無味無臭のD-PREは重宝することでしょう。

広がりのある気持ち良いサウンド

出音も非常に素直。脚色することなく、あるがままをダイレクトに出力してくれるので、好みを問わず万人受けするサウンド・キャラクターではないでしょうか。

特筆すべきは高域の伸びと広がり感で、リバーブの消える瞬間までをハッキリつかむことができます。超低域から超高域まで、レンジの広い楽曲やボーカル楽曲との相性は特に良いでしょう。

機能面では、iOSデバイスに対応するCCモードや、ループバック機能。本体DSPを使ったアンプ・シミュレーターやチャンネル・ストリップ、リバーブを、レイテンシー・フリーで使えるのが魅力です。DSPエフェクトはモニター信号だけにしかかけることができませんが、同エンジンのVST3プラグインが付属するので、ミキシング時にまったく同じサウンドを作ることができます。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:USB2.0●アナログ入力:8(うちマイク・プリアンプ8系統)●アナログ出力:8●ヘッドフォン:2●デジタル入出力:オプティカルx2

■実勢価格:6万7,700円(税抜)前後 ■連絡先:ヤマハミュージックジャパン


TASCAM / Celesonic US-20×20

価格を超えた驚きのサウンド

業務用機器からコンシューマー機器まで、幅広い製品を手がける国産ブランドのTASCAM。USBオーディオ・インターフェイスのUSシリーズは、エントリー・グレードを中心に高い評価を得ています。シリーズのフラッグシップ・モデルとなるのが「Celesonic US-20×20」です。

デスクトップに置いた状態でも操作しやすいように、わずかに傾斜が付けられた1Uサイズのボディー(ラックマウントにも対応)に、アナログ10イン/10アウト。ADAT、S/PDIFと各種デジタル入出力を備えた20イン/20アウトを搭載。MIDI入出力やワードクロック入出力まで備えた本格モデルです。ライン入力は-10/+4dBuの切り替えができたり、細かい部分もしっかりと考えられています。

アナログ入力のうち、8系統はマイク・プリアンプを搭載。まず驚いたのが、このスペックで5万円台で手に入ること。ADATで2台をスタックすれば、安価に16マイク・プリのシステムが構築できます。

そしてサウンドを聴いて、また驚き。派手さはないのですが、しっとりとした芯のあるサウンドはプロ向けの製品と比較してもまったく遜色ありません。AD/DAコンバーターには評価の高いAKM製が使われていたり、ボリューム・ノブには専用設計のALPS製ボリュームが使われていたりと、価格からは考えられないような贅沢な仕様になっています。

3モードと、本格DSPミキサー

US-20×20は、オーディオ・インターフェイスとしてだけでなく、単体マイク・プリアンプやミキサーとしてスタンドアロン動作も行える仕様になっているのもユニークです。Dual Core BlackFin DSPにより、内蔵ミキサー上で全入力チャンネルに対して4バンドのEQとコンプ、モニター用のリバーブを使用することもできます。

ミキサーは10パターンまでシーン・メモリーが組めたり、出力のパッチベイが組めたりと、かなり面白い製品です。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:USB 3.0●アナログ入力:10(うちマイク・プリアンプ8系統)●アナログ出力:10●ヘッドフォン:2●デジタル入出力:オプティカルx1、コアキシャルx1●MIDI入出力:1系統

■実勢価格:5万9,760円(税込/ティアックストア) ■連絡先:ティアック


Universal Audio / Apollo Twin Mk II

気持ち良いアメリカン・サウンド

独創的な製品で現代のレコーディングの基礎を築いてきたUniversal Audioが誇る、Thunderboltオーディオ・インターフェイスが「Apollo Twin Mk II」。今最も注目を集めているオーディオ・インターフェイスと言っても過言ではないでしょう。

Apolloシリーズ最大の特長は、名機と呼ばれるアナログ・アウトボードのモデリングで定評のあるUADプラグインをリアルタイムに使用できる点ですが、まずはオーディオ・インターフェイスとしての基本性能からチェックしていきましょう。

デスクトップ・サイズの本体に、2系統のマイク・プリアンプを搭載したアナログ入力と、4系統のアナログ出力、さらにオプティカルのデジタル入力を搭載。最大10イン4アウト+ヘッドフォンという仕様なので自宅スタジオにピッタリです。

そんなApollo Twin Mk IIの出音は、パンチとトランジェントに優れ、押し出し感がとても気持ち良いサウンドが印象的です。もちろん、ただ単純に気持ち良いだけでなく、ミキシングやマスタリングで求められるような細部のニュアンスもハッキリとつかむことができるので、1つ1つの作業が楽しくなること間違いなしです。

かゆいところに手が届く

マイク・プリアンプは、有名マイク・プリアンプのサウンドを回路動作レベルで再現できる、独自のUnisonテクノロジーを搭載。素のピュアなサウンドも魅力ですが、NeveやManleyといった個性の強いサウンドに一瞬で切り替えられるので、曲によって様々なサウンド・キャラクターを使い分けたり、とにかく便利で面白いです。

本体操作も簡単で、大型ノブで入力ゲインやモニター・レベルを直感的にコントロール。モニター・切り替えやDim、トークバックなどモニター・コントローラー機能の充実も嬉しいポイントです。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:Thunderbolt●アナログ入力:2(うちマイク・プリアンプ2系統)●アナログ出力:4●ヘッドフォン:1●デジタル入力:オプティカルx1

■実勢価格:7万9,000円(税抜)前後〜(DSPパワーにより3バリエーション) ■連絡先:フックアップ


ZOOM / UAC-8

USB3.0の恩恵

ギター/ベース・エフェクターやMTR、ハンディー・レコーダーでお馴染みの国産ブランド、ZOOM。最新テクノロジーと高品位なパーツをふんだんに使用したこだわりの設計が魅力のUACシリーズ。そのフラッグシップ・モデルが「UAC-8」です。

UAC-8は、USB2.0の10倍の転送速度を誇るUSB3.0を採用。これにより、96kHz32バッファ設定時のラウンド・トリップ・レイテンシーが実測値で2.0msecという、驚異的なパフォーマンスを実現しています。

アナログ入力は8系統で、全チャンネルにマイク・プリアンプを搭載。出力は2系統のメイン・アウトプットと、ルーティングによりモニターやアウトボードの使用が可能な8系統と充実。ADATオプティカルやS/PDIF、MIDIやワードクロック入出力まで考えられるすべての端子を搭載し、制作システムの中枢としての機能を担ってくれます。

また、クラスコンプライアント・モードではiOSデバイスでもハイクオリティーな入出力を使用できる点も見逃せません。

ハイエンド・モデルのサウンド

マイク・プリアンプは、同社Hシリーズで培った技術を継承。+60dBというゲイン幅と、クリアでスッキリとしたサウンドが持ち味です。

ADコンバーターはAKMのAK5388。DAコンバーターは同じくAKMのAK4413と、いずれも業務用レコーダーやハイエンド・オーディオ機器で使われるチップを採用。エントリー・モデルとは一線を画す、ピュアで高解像度サウンドが印象的です。輪郭がハッキリしているので、微妙なサウンド変化までしっかりと聴き分けることができます。パソコン側とは独立したクロックで動作させるアシンクロナス転送により、ジッターの影響を抑えているのも高音質な理由の1つでしょう。

また、アップ・サンプリング機能も魅力。ONにすることで、AD/DA変換や内部処理が設定の4倍のレート…つまり48kHzのプロジェクトでも192kHzの処理が扱われるので、目に見えて出音が滑らかになるのでオススメです。

【主な仕様】

●サンプリング・レート:〜192kHz●インターフェイス:USB3.0●アナログ入力:8(うちマイク・プリアンプ8系統)●アナログ出力:10●ヘッドフォン:1●デジタル入出力:オプティカルx1、コアキシャルx1●MIDI入出力:1●WORD CLOCK:IN/OUT

■実勢価格:6万円(税抜)前後 ■連絡先:ズーム

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