製品レビュー

Pike Amplification / Vulcan XL -Bass Overdrive / Preamp-

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ハイエンド・ペダル・プリアンプ

エフェクターに限らず、製品が多くのミュージシャンへ認知されるようになるには、多くの時間が必要です。そんな中、昨年(2015年)の秋にスタートしたばかりにもかかわらず、サウンドにこだわるベーシストたちから注目を集めているのが「Pike Amplification」というアメリカ/シアトル発のブランドです。

Pike Amplificationはオートワウやエンベロープ・フィルターで有名な「3Leaf Audio」の創設者が新たに立ち上げたベース用エフェクターのブランド。3Leaf Audioで培ってきた技術がフルに投入されており、その高い音質と使い勝手の良さやサウンド・バリエーションの広さといった理由から大きな注目を集めています。今回は、そんなPike Amplificationのハイエンド・ベース用オーバードライブ/プリアンプ「Vulcan XL -Bass Overdrive / Preamp-」を紹介します。

2つのドライブ回路を搭載

本機はオーバードライブ/プリアンプということで、コンパクトな筐体の中にベース・サウンドを作る、すべての要素が詰め込まれています。コントロール類は比較的シンプルで、ゲイン、ボリューム、4バンドのEQに加えて、クリーン音をミックスさせる「MIX」や「FAT」と「COLOR」という2つのトグル・スイッチを搭載しています。

音作りのポイントになるのは何と言っても、COLORスイッチです。Vulcan XLの内部には2つのディスクリートのオーバードライブ回路がパラレルで配置されており、COLORスイッチによって、まったく異なるサウンド・キャラクターを得ることができます。

具体的に言うと、スイッチを下方向にセットするとクリーンで、ミッドレンジが濃厚な汎用性の高いサウンドに。上方向にセットすると一気にドンシャリなサウンドになり、歪み具合も強く感じられるようになります。どちらのモードでもGAINがしっかりと効いてくれるので、往年のしっとりとしたベース・サウンドからバキバキとしたモダンなサウンドまで、簡単にコントロールすることができます。

FATというトグルはローカット・スイッチです。下方向にセットすることで低域がカットされ、より攻撃的なサウンドへと変化します。本機を操作していて感じたのは各つまみを動かした際のサウンドが、頭の中でイメージした通りの変化をしてくれるということ。つまり、とても感覚的にコントロールすることができるのです。

クリーン音を混ぜることができるMIXも便利なつまみです。クリーン信号は、ただ原音を足しているのではなく、プリアンプで6dBブーストされた音とのミックス。このプリアンプも扱いやすい艶やかなサウンドで、歪みのノリも良い印象です。

イメージ通りに使えるEQ

4バンドのEQセクションも見てみましょう。4バンドの内訳はBASS(80Hz)、LOW MID(500Hz)、HIGH MID(1kHz)、TREBLE(5kHz)という構成。周波数の設定はもちろん、いわゆる中域を細かく調整できるように、LOW MIDとHIGH MIDという構成になっているなど、まさにベースに最適化されている印象を受けます。こちらも非常に使い勝手が良く、LOW MIDとHIGH MIDで太さやバンド内でのベースの存在感を、BASSとTREBLEでサウンド・キャラクターの微調整ができるようなイメージです。

なお、本モデルはACアダプター駆動専用です。一般的に使われている9Vから18Vまでのアダプターで使用でき、中でも18Vのアダプターを使うのがオススメ。9Vでも問題なく駆動しますが、18Vで使った方がヘッドルームが広がり、クッキリとしたサウンドを得ることができます。

本機はプリアンプとしても使えるモデルということもあり、通常のフォーン出力に加えて、XLRバランス出力も搭載しているので、そのままPA卓に信号を送ることができます。グランドリフトも付いているので、ノイズ対策もバッチリです。

ユニークなのはCLEAN OUT端子を搭載している点です。この端子からはVulcan XLのエフェクト回路を通っていない、ドライなサウンドが出力されるので、歪みをかけたくないエフェクターをつないだり、レコーディングではドライ音を別で録っておくなど、いろいろな用途に活用できます。

ベーシストが求める「歪み」「プリアンプ」「D.I.」という3つの機能を1台に凝縮した、Vulcan XL 。実用的にまとめ上げた、ベーシスト注目の1台です。


■税抜き価格

オープン(実勢価格:4万5,000円前後)

■お問い合わせ先

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