GUILD / D-240E レビュー
- 2018/12/21
- 製品レビュー
歴史あるUSAギター
GibsonやMartinと並び、アメリカを代表するギター・ブランド、GUILD(ギルド)。中世ヨーロッパで発達した商工業者による組合の名前を冠したメーカーです。GUILDギターの魅力といえば、やはり伝統を大切に守り抜いている点ではないでしょうか。1953年にアメリカで楽器店を営んでいたアルフレッド・ドロンジ氏がスタートさせたGUILDはニューヨークのジャズ・シーンを中心にファンを増やしていき、1969年には伝説のウッドストックで、リッチーヘブンズがD-40というモデルを使用したことでGUILDの名は一気に世界に知れ渡りました。
それから半世紀以上が経った現在でも、受け継がれてきた職人技やギターにおける品質や価値、そして、何よりミュージシャンがベストなパフォーマンスを行えることを大切に考えているブランドです。
伝統のドレッドノート
「D-240E」は、そんなGUILDの魅力がギュッと詰まった1本。黄金期の設計をもとに、高品質なソリッド・シトカ・スプルース単板を使用したドレッドノート・タイプのアコースティック・ギターです。
GUILDギターが人気を得てきた秘密は、その力強い鳴りと瑞々しいサウンドです。通常であれば高級ギターでしか実現できない要素ですが、サイドバックのプライウッドとアーチバックによって、この価格でGUILDサウンドを可能にしているのがD-240E最大の魅力でしょう。
ピックでかき鳴らした時の感情を揺さぶるようなサウンドは必聴。弦の擦れる音までかっこ良く、明るくて抜けも良いサウンドは弾き語りなどでも使いやすいと言えます。
ボディーやネックはマット・フィニッシュでスッと手に馴染みやすく、しかも、ネックは細めのCシェイプ。複雑なコード・ワークやフィンガリングもしやすいので、手の小さな方やエレキからの持ち替えでも違和感なく演奏できるでしょう。
また、現代ならではの考えも取り入れられています。その代表的なものがオリジナルのピックアップ・システムであるAP-1です。アクティブ・ピエゾが埋め込まれており、シールド・ケーブルを挿すだけでエレクトリック・アコースティック・ギターとしてアコースティック・アンプやD.I.に接続することができます。ピックアップのサウンドもアコギらしいサウンドを保ったまま出力してくれるので、バンドの中にアコギを取り入れたい場合にも最適です。
GUILDの培ってきた技術や伝統を現代に蘇らせたD-240E。「伝統を大切に…」と言うと懐古主義のような印象を持つ人がいるかもしれませんが、時代が変わっても、変わらずに良いものは良い。そう感じさせてくれる1本です。
■販売価格:6万5,000円(税別)
■お問い合わせ先:キクタニミュージック
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