ZOOM LIVETRAK L-8 レビュー 練習からライブまで、欲しい機能がすべて揃う!

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普段の練習からライブまで、自分たちの演奏を録音したい!というシーンは多いと思います。しかし、そのために専用の機材を揃えたり、使い方を覚えるのは大変…。そんなミュージシャンやサークルにぜひチェックして欲しいのがZOOMのLIVETRAKシリーズです。ミキサーであり、MTRでもあり、さらにパソコンと接続すれば、オーディオ・インターフェイスにもなる…という便利な1台です。どんな使い方ができるのかを詳しく見ていきましょう。

LIVETRAKとは

「LIVETRAKシリーズ」はギター/ベース・エフェクターやレコーダーでお馴染みの国内メーカーのズームが作り出した、ありそうでなかった新しいコンセプトのミキサーです。

見た目通りの「ミキサー」としての機能に加えて、各チャンネルに接続した楽器やマイクの音を別々のトラックに録音することができる「MTR」として。さらに、パソコン上のDAW(録音)ソフトへの録音を可能にする「USBオーディオ・インターフェース」としても使用可能な、便利な機材です。

LIVETRAKシリーズは同時に接続/録音できる楽器の数や機能によって4つのバリエーションが用意されています(詳しくはページ下部ージを参照)。今回はシリーズの最新モデルである「LIVETRAK L-8」を例に、LIVETRAKの特長を紹介していきます。

8チャンネルのデジタル・ミキサー

まずは基本となるミキサー部分から見ていきましょう。同時に入力できる数は8チャンネル。1〜6チャンネルはマイク入力に対応。さらに、1〜2チャンネルはHi-Zに切り替えることで、エレキ・ギターやエレアコ、エレキ・ベースをそのまま接続することが可能です。

7〜8チャンネルはライン入力専用で、キーボードや電子ドラムの他、スマホや携帯音楽プレイヤーを接続するのに便利です。また、このチャンネルには「サウンドパッド」という面白い機能が付いています。これはSDカードに保存されたオーディオファイルを設定しておくと、ボタン1つでその音を鳴らすことができるというもの。効果音やBGMなどを割り当てておけば、バンドのパフォーマンスや転換時に便利で、使い方によってはライブ時にバックトラック等の同期出しに活用することもできます。

各チャンネルには3バンドのEQと不要な低域をカットして聴きやすいサウンドを作るローカット機能、PAN、1系統のセンドリターン・エフェクトが搭載されています。

エフェクトはリバーブやディレイ、コーラスといった使用頻度の高い8種類を収録。エフェクトのパラメーターも編集できるので、好みのサウンドを作り上げることができます。

そして、これらの設定は「シーン」として最大7種類まで保存しておき、いつでも呼び出すことができます。例えば、リハーサル時に出演バンドごとに音量バランスやEQの設定を保存しておけば、本番時にボタン1つで、リハで作った音が完璧に再現可能。アナログ・ミキサーのようにつまみの位置をメモしたり、写真に撮っておかなくても済むので、とても便利です。

サウンドパッドは好きな音をボタン1つで鳴らすことのできる便利な機能です。効果音やBGM、バンドの同期などを鳴らすのに活用できます

3系統のモニター・ミックス

L-8が従来のミキサーと大きく違うのが、3系統のモニター・ミックスを作成することができる点です。少し聴き慣れない言葉だと思いますが、簡単に言うと、3人のミュージシャンがメインのスピーカーとは別の音量バランスの音を聴きながら演奏するための機能です。ライブハウスのステージ上にあるモニター・スピーカー(転がし)が簡単に再現できる…とイメージするとわかりやすいと思います。

例えば、ボーカリストはドラムを大きめに。ドラマーはベースを大きめに…といった具合に演奏しやすい音量バランスは担当楽器や好みによってバラバラ。L-8があれば、それぞれのミュージシャンが自分のベストの音を聴きながら演奏することができるのです。

同じことを一般的なミキサーで再現するには、かなり大規模なミキサーと、わかりにくい操作が必要になるのですが、L-8ならとても簡単に扱うことができます。

本体上部に3系統のモニター出力を搭載。自分の聴きやすい音量バランスで演奏することができます

マルチ・トラック・レコーダー

L-8のマルチ・トラック・レコーダー(以下、MTR)機能を使うと、接続した楽器の音をSDカードに録音することができます。

使い方はとても簡単です。本体右下の「RECORDER」ボタンを押してRECORDERモードに切り替えたら、録音したいトラックにある「REC」ボタンを押して赤く点灯させます。あとは「●」ボタンを押せば録音が始まります。

ポイントは各チャンネルの音が別々のトラックとして録音されるという点。つまり、録音後にボリュームを調整したり、EQやエフェクトをかけて聴きやすい音を作り込むことができるのです。これがスマホのボイス・レコーダー機能等との決定的な違いです。録った音を聴き返したら、バランスが悪くてボーカルがまったく聴こえなかった…なんて心配は必要ありません。

MTRがあれば、オリジナルの楽曲をレコーディングし、それをインターネット上で公開したり、CDにして配布することができたりと、活動の場が一気に広がります。また、ライブや練習の記録を残すのも良いでしょう。

多機能ですが、わかりやすいパネル・デザインで、使いたい機能に瞬時にアクセスすることができます

パソコンでも使用可能!

レコーディングというと、現在の主流はパソコンを使ったDAW環境です。L-8はパソコンとUSB接続することで、12イン4アウトのオーディオ・インターフェイスとして使うこともできます。ハードウェアのMTRとしても、パソコンと組み合わせても使えるというのは非常に便利です。

しかも、クラス・コンプラインアント・モードで使えば、iOSデバイスとも接続可能。可能性が広がります。

あると便利な多機能ミキサー

見た目はシンプルなミキサーですが、中身はものすごく多機能なモンスター・マシン。それがL-8です。部室や練習室にL-8があれば、ミキサー兼MTRとして活躍してくれることは間違いありません。また、音楽やバンド活動だけでなく、最近流行のポッドキャストやネット配信用の機材としてもピッタリ。現代のミュージシャンに求められる機能がギュッと詰まっているので、ぜひチェックしてみてください。

ポッドキャストやトーク番組の収録にもピッタリ。電池駆動で、どこでも収録できます


シリーズラインアップ

LIVETRAK L-20 20チャンネル入力/6モニター出力

大編成のバンドにも対応できる16マイク・プリアンプを搭載した20チャンネルのインプットを備えたLIVETRAKシリーズのフラッグシップ・モデルです。すべてのチャンネルに3バンドEQとローカット、フェイズ、2系統のエフェクト・センドを搭載。マイク入力には1ノブでシンプルに使えるコンプレッサーも内蔵しています。マスター・ミックスとは別のバランスが設定できるモニター出力は6系統。プレイヤーへのヘッドフォンやモニター・スピーカー(転がし)に使えば、本格的なライブ環境を整えることができます。

LIVETRAK L-20R 20チャンネル入力/6モニター出力

LIVETRAK L-20の機能はそのままに、コンパクトなラックマウントに凝縮したモデルです。フェーダーやEQ、モニターミックス等の設定はiPadからワイヤレスで操作可能。よりコンパクトなライブ・ミキシング環境を構築することができます。

LIVETRAK L-12 12チャンネル入力/5モニター出力

部室からライブ・ステージまで、幅広い用途で使いやすい12チャンネルのインプットを備えたスタンダード・モデルです。8系統のマイクを同時に接続することができます。モニター出力は5系統で、1系統のエフェクト・センドを搭載しています。


■販売価格:3万6,000円前後(税別)

■お問い合わせ先:ズーム
メーカーの製品紹介ページ


 

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