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憧れのマイクのサウンドを完全再現する、次世代マイクロフォン・モデリング・システム

最新マイク・モデリング・システム

改めて言うまでもなく、レコーディングの品質に最も影響するのが音の入口であるマイク。しかし、レコーディングにおいて定番とされているマイクは、どれも高価で個人が気軽に手を出せるものではありません。そんな宅録ユーザーの救世主になってくれるのがTownsend Labsの「Sphere L22」という製品です。

マイクロフォン・モデリング・システムと銘打たれたSphere L22。簡単に言えばマイクと専用のプラグイン・エフェクト(DSPプラグイン)を組み合わせることで、特定のマイクのサウンド、レスポンス、指向特性を完璧に再現するというもの。

Sphere L22の場合はマイクにDSPが搭載されていて処理を行うのではなく、あくまで録音された後でモデリングを行うというのがポイントで、ミックス時にオケに応じてマイクを変えたり各パラメーターを追い込んでいくことができます。言うなればリアンプならぬ「リマイク」といったところでしょうか。

Sphere L22マイクロフォン

まずはSphere L22 マイクロフォンから見ていきましょう。パッと見は一般的なラージダイアフラム・コンデンサー・マイクに見えますが、内部には前後で2つのマイクが仕込まれており、それぞれ別々のチャンネルとして出力します。つまりステレオ・マイクとしても使えるのですが、これによりモデリングの精度を劇的に向上することが可能になったのです。

例えば従来のマイク・モデリングというのは、マイクの音にフィルターをかけて周波数特性を似せるのが基本。それに対してSphere L22の場合は2つのマイクを使うことで指向特性や奥行き感、近接効果によるサウンド変化、オフアクシス補正など音場そのものの情報を3次元特性としてキャプチャー。そのマイクが本来持っている様々な要素を複合的に再現することができるのです。

13のマイク・サウンドを再現

続いて実際にモデリングを行うプラグイン、Sphere DSPプラグインを見ていきましょう。本プラグインは主要プラグイン・フォーマットに対応しており、DAWソフトにインサートできるのはもちろん、Universal Audioの人気オーディオ・インターフェイス、Apolloシリーズにも対応。Apollo環境では約1.6ms(96kHz)という低レイテンシーを実現しているので、レコーディング時から有名マイクのサウンドでモニター可能。プレイヤーのモチベーションも変わってきます。

気になる収録マイク・モデルを挙げていくと、LD-47(NEUMANN U 47)、LD-49(NEUMANN U 49)、LD-67(NEUMANN U67)、LD-87(NEUMANN U 87)、LD-12(AKG C12)、LD-251(TELEFUNKEN ELAM 251)、LD-800(SONY C-800G)、SD-451(AKG C451)、RB-4038(Coles 4038)、DN-57(Shure SM57)、Sphere Linear(3タイプ)と早々たる名機が名を連ねています。

実際にボーカルを録って試してみたところ、これはかなり面白いです! モデリング元になったマイクと厳密に聴き比べたわけではありませんが、各マイクらしさが再現されているのはもちろん、モデルを変えることによってオケの中での存在感やルーム感まで別モノに変化します。近接効果も調整できるのですが、「そうそう、この感じ!」という実に気持ち良いサウンド変化が味わえます。少し邪道な使い方かもしれませんが、テイクによってマイクとの距離が変わってしまった場合の補正に使うというのも有効だと感じました。

どのモデルを選び、どのパラメーターをいじっても「似せている」感はなく、あたかも最初からその音だったかのような自然な仕上がりは感動レベルです。

2つのマイクを同時使用可能

また、付属のSphere 180プラグインを使えば、左右のチャンネルに個別のマイク・モデルを選ぶこともできます。これがわかりやすいのがアンプの収録時。例えば57と4038(リボン)を簡単に組み合わせたい、なんて場合。各チャンネルに位相差が生じないので、位相を気にすることなく好みの質感を作ることができます。マイクの軸(アクシス)をずらすこともできるので、楽器やアンプ収録でも劇的な効果があります。

使う前までは、懐疑的な印象があったのも事実ですが、いざ使ってみると面白さと便利さにとりつかれてしまいました。この感動は実際に触ってみないとわからないと思いますので、ぜひTownsend Labsのホームページからデモ・プロジェクトをダウンロードしてみてください。プラグイン自体もフリーで使えるので、実際の使用感と効果を自分の環境で試すことができます。最新のマイクロフォン・モデリング恐るべし、です。


■主な仕様

【Sphere L22マイクロフォン】

●最大SPL:0.5% THD : 140dB (-20dBパッドオン)●感度:22mV/Pa●出力端子:5ピン XLRオス●ブレイクアウト・ケーブル:5ピン XLRメス – 3ピン XLRオス x 2(3m)●外形寸法:φ63mm x 225 mm●本体重量:770g

【Sphere DSPプラグイン】

●対応フォーマット:UAD、AAX Native、VST2、VST3、Audio Units(Mac)●対応OS:ネイティブ (AAX、VST、AU)・Mac OSX 10.8.5 以降・Windows 7 以降●Apollo インターフェイスと UAD-2 ハードウェア(AAX、VST、AU、RTAS)・Mac OSX 10.9.5以降・Windows 7 以降

■販売価格

オープン(実勢価格15万7,000税抜)

■お問い合わせ先

フックアップ
メーカーの製品紹介ページ

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