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音圧稼ぎだけじゃない、音作りにも使えるラウドネス・マキシマイザー

注目を集める新鋭マキシマイザー

ミキシングに関する悩みの中でも、特に耳にすることが多いのが音圧に関する疑問です。一時期に比べると音圧至上主義のような、とにかく音圧を詰め込むようなミックスは少なくなりました。とはいえ、他の楽曲と比べた時に、明らかに音が小さいというのは問題です。同じ土俵に立つためにも、ある程度音圧を稼ぐのは必要不可欠なことと言えます。

DAWソフトにバンドルされているプラグインでも一定のレベルまでは稼げますが、どうしても市販のCDと比べて、聴感上の音圧感が足りないように感じたり、音質変化が気になったりと、プロの作品とのクオリティーの差を感じてしまう部分だと思います。

DOTEC-AUDIO(ドーテック・オーディオ)のDeeMaxというマキシマイザーは、いわゆる定番とされているマキシマイザー・プラグインとまったく遜色ないクオリティーを持ちつつ、数分の1という圧倒的なコスト・パフォーマンスを実現。遊び心のあるデザインも魅力的で、音圧に関する悩みを持っている人は必見のプラグインです。

音楽的なマキシマイズ

DeeMaxの使い方は簡単。トラックにインサートして、レバーを上げていくだけで、面白いほど簡単にラウドなミックスが完成します。一聴して気づくのが、マキシマイズしてもサウンドが破綻しないということ。一般的なマキシマイザーは音圧を稼ぐ代償にサウンドのダイナミクスが失われてしまったり、せっかく取ったミックス・バランスが変化してしまうため、マキシマイザーで音が変わることを前提に作業する必要があります。

しかし、DeeMaxは非常に素直なサウンドを保ったまま、純粋に音量だけが上がっていくような感覚で、エフェクトで音圧を引き上げている感じがありません。素材にもよりますが、一般的なミックスであればレバーを中程(ゲイン50程度)まで上げるだけで、十分過ぎる音圧を稼ぐことができます。

アタック・タイムやリリース・タイムといった細かい設定を行うことはできませんが、プラグイン内部で自動調整されているようで、ポンピングも気になりません。欲しい音圧感が得られるまで、ただただレバーを上げていくだけで音圧に関する悩みがアッという間に解決します。

サウンドメイクにも効果的

また「TURBO」ボタンも見逃せません。ボタンを押すとアタック感や倍音が付加されて、一気に狂暴なサウンドへと変化するのですが、サウンドメイクに使うことで面白い効果を生み出せます。具体的にはシンセ・リードやシンセ・ベース、そして、ドラムマシン系との相性が抜群です。オーバードライブで歪ませたのとも違う、個性的なクリスピー・サウンドで音の存在感を一気に際立てることができるので、EDMなどのダンス・ミュージック系には特に重宝すると思います。

SAFEスイッチを使えば、反対にサチュレーションのないクリアなマキシマイズも可能です。パラメーターとしては3つだけですが、その組み合わせによって、かなりのサウンド・バリエーションを生み出すことができます。

また、マキシマイズ系プラグインの場合は構造上、プラグイン・レイテンシーが大きかったり、CPU負荷が高いのが多いですが、DeeMaxは動作も非常に軽快で、レイテンシーも気にならないレベル。トラックにインサートしたまま、リアルタイム入力が可能なほどです。

単にパソコンの負荷を抑えられるというよりも、レコーディングやアレンジの段階からトラックやバスに挿しっぱなしにできるということに魅力を感じます。いわゆるレベルをプッシュした状態で作っていけるので、最終的な完成系を想像しやすく、何より作業時のテンションも上がります。

思うように音圧が稼げずに悩んでいる人はもちろん、既に有名なマキシマイザーを持っている人にも、ぜひ試してもらいたい1本です。「プラグインは値段じゃない」ということを改めて感じさせられました。デモ版が公開されているので、ご自身のトラックで効果を確認してみてください。

この他にもDOTEC-AUDIOからはEQやコンプレッサー、オート・レベラーなどが販売中。どれもスライダー操作だけで効果的な音作りができるようなシンプル、かつ効果的、そして、独創的なプラグインです。今後の展開に注目と言えます。


動作確認済みDAW

Cubase8.x
Sonar X2 – PLATINUM
Ableton Live 9.x
Studio One 3.x
FL Studio 12.x
Acid 7.0e
Logic Pro X 10.x
GarageBand 10.x

お問い合わせ先

DOTEC-AUDIO(ドーテック・オーディオ)
https://dotec-audio.com

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