IK Multimedia / iLoud Micro Monitor
- 2018/3/28
- 製品レビュー
- Vol.202, モニター・スピーカー, 製品レビュー
えっ、このサイズでこの音が出るの!? 世界最小クラスのリファレンス・モニター
いつでも、どこでもリファレンス
昨今、特にしれつを極めているのが3インチ・クラスのコンパクトなモニター・スピーカー。昔から「小さいスピーカーは低域が出ない」「ミックスをチェックする際のラジカセ代わりには良いけど、メイン・モニターには…」。なんて言われてきましたが、そんな常識を覆してくれる次世代コンパクト・リファレンス・モニターの筆頭が、このIK Multimediaの「iLoud Micro Monitor」ではないでしょうか。
本体を手にすると、まず驚いたのが軽さとサイズ感。デスクトップに設置すると、ちょうど13インチのノートPCと揃うような高さです。また幅がスリムなので、同サイズのライバル機に比べて一回り小ぶりの印象を受けます。しかも重量はステレオ・ペアでわずか1.7kgしかありません。
ちなみに、電源やスイッチ類、入力端子が左チャンネルに集約されており、右チャンネルとは専用のケーブルで接続する設計です。入力端子は、ステレオ・ミニとRCA、そしてBluetoothの都合3系統が搭載されており、Bluetoothはライン入力と同時に再生可能。つまり、RCAインにDAWソフトなどから音を出しつつ、スマートフォンからBluetoothで音を鳴らすことができます。スマートフォンから参考曲を聴きながら自作曲をミックスするよな時にチャンネル切り替えが不要なのは、非常に便利です。
驚きの中低域
ではサウンドをチェックしてみましょう。まずは何も考えずにデスクトップに設置してみます。
音を出してみると、すぐにiLoud Micro Monitorの実力を思い知らされます。一番気に入ったのは中低域の解像度の高さ。最近は3インチでも低域がしっかり出るスピーカーは多いのですが、中低域にどうしても違和感を感じるモデルも少なくありません。スネアの胴鳴り部分や、歪んだギターの低域も、輪郭がハッキリ聴き取ることができます。
スペックにおいても下は55Hzまで出ていて、小型ウーファーのスピーカーにありがちな高域のシャリシャリ感もなく、歴としたモニター・スピーカーとして十分信頼できる相棒です。
セッティングも簡単
その他にもスピーカー・スタンドをはじめいろいろな場所に設置してテストをしてみました。特に好印象だったのが、手の届く範囲…つまり目の前にパソコンを置き、その左右にセッティングした時です。本体の底面にはスタンドが付いており、これを立てることで自然とツイーターの向きが耳の高さに合うようになります。また、この位置だとちょうどスピーカーとリスニング・ポジションがセオリー通りの正三角形に近くなるはずです。
この距離では小音量でも十分モニターできるので、部屋の反響などによるサウンド変化をあまり意識する必要がないので、まさにデスクトップ設置で真価を発揮してくれるモニター・スピーカーと言っても良いでしょう。
また、背面にはデスクに置いた時に中域が気になる場合に効果的な「DESK」、高域を-3dBする「HF」。そして低域を-3dBする「LF」と、3つのEQスイッチが用意されています。スピーカーと背面の壁との距離や音の好みに応じて設定を追い込むことができます。このEQやクロスオーバーに加え、位相や周波数特性は56bitのDSPによってコントロールされているとのことです。
サウンドを犠牲にして安価なモデルを選ぶか、クオリティーを求めてワンランク上のサイズのスピーカーと同程度の金額を出すか…と両極端な傾向にあった3インチ・スピーカーの中で、手の届きやすい価格とハイ・クオリティーを両立させたのがiLoud Micro Monitorです。メインのスピーカーとしてもバッチリ使えて、バックパックに入れて持ち運びもOK。これは魅力的です。
■主な仕様
●形式:バイアンプ2WAY バスレフ●ウーファー:3インチ●ツイーター:3/4インチ●再生周波数帯域:55Hz 〜 20kHz(-3dB)、45Hz 〜 22kHz(-10dB)●クロスオーバー周波数:3kHz●アンプ定格出力:50W RMS●コントロール:EQ(DESK、HF-3dB、LF-3dB)入力端子:RCA、1/8ステレオ・ミニ、Bluetooth●外形寸法180mm x 135mm x 90mm/1本●質量:1.7kg(ステレオ・ペア)
■販売価格
実勢価格:3万7,000円(税別)
■お問い合わせ先
IK Multimedia
メーカーの製品紹介ページ