Morris / SR-703 レビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

日本を代表するアコギ・ブランド

Morris(モーリス)は国産アコースティック・ギターのブランドの1つで、その歴史は古く、なんと1960年代にまで遡ります。当時の日本では「グループ・サウンズ」と呼ばれる音楽が流行していたこともあり、ギターが大人気になっていました。そんな中、アコースティック・ギターの量産を開始したのが、Morrisの前身にあたる「Hotaka(ホタカ)」というブランドでした。

そのHotakaの大きな転機となったのが、フォーク・グループ「アリス」の大ヒットでした。そんなアリスが愛用していたギターが、まさにMorris製だったのです。アリスの人気と共に「アコギと言えば、MORRIS」とまで言われるほどになりました。その人気はすさまじく、ピーク時には国内販売本数だけで、年間14万6,000本(全世界で33万本)が売れたという記録が残っているほどです。

Morrisのアコースティック・ギターは現在も様々なモデルがラインアップされていますが、今回紹介する「SR-703」は指弾き、ピック弾きの両方に対応できる汎用性の高い1本です。

アコギのオールラウンダー

モデル名の通り、MORRISの「Sシリーズ」と言えば、本来はフィンガー・ピッキングを中心としたソロ・プレイを想定して作られているモデルなのですが、そのパフォーマンス・エディション・モデルである「SR-703」は指弾きでしっとりと聴かせるのに最適なのはもちろん、ピックでかき鳴らしても気持ち良いところが大きな魅力です。音の粒がしっかりとしているので、初心者でも雰囲気のあるサウンドを出すことができ、弾き語りとバンドでの合奏の両方を楽しみたい人にピッタリの現代的で、使いやすい仕様と言えるでしょう。

大きな特長はナットの幅が43mmと、主要な海外メーカーのギターに比べると、細めに作られている点です。これは体格(手)の小さな日本人でも弾きやすいように施された工夫の1つで、薄めのネックや低めの弦高、深胴のボディーなど、あらゆる面から弾きやすさを追求。女性でも無理なくギターを構えることができ、楽に演奏することが可能です。

木材に目を移すと、このSR-703の表甲には透明感があり、クセのないサウンドが印象的なスプルース材が用いられているほか、指板とブリッジの木材にはウォルナットが使われています。一方、姉妹モデルの「SR-701」の表甲の素材には温かみがあり、重厚な響きを得ることができるシダー材が採用されており、好みの音色に応じてモデルを選ぶことができます。

どちらも価格からは想像もできないような豊かな響きを持っており、初心者から中・上級者まで、あらゆるギタリストを満足させてくれることでしょう。アコギの老舗らしい、満足度の高いモデルです。

ネックやナットをはじめ、弾きやすさが追求されています

椅子に座った状態で演奏する場合は、このように見えます

各部の作りが丁寧なため、長く愛用することができます


■販売価格:7万円(税別)

■お問い合わせ先:モリダイラ楽器
メーカーの製品紹介ページ


 

関連記事

ページ上部へ戻る