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NUX / Cerberus レビュー

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エフェクト・ペダルのコンパクト化が進む昨今、「音には妥協したくないけど、足下はシンプルにまとめ上げたい!」なんて考えている方も多いのではないでしょうか?

移動や音色管理の利便性だけを考えるとマルチ・エフェクターなどのデジタル・ツールも魅力ですが、やっぱりアナログのサウンドや操作感に慣れ親しんでいる…という方にオススメなのがNUX(ニューエックス)社のCerberus (ケルベロス)です。

Integrated Effects & Controller

“Integrated Effects & Controller”と名付けられたCerberusですが、ひと言で言えば、1台に複数のエフェクトと機能を凝縮したマルチ・エフェクターです。ですが、いわゆる一般的なマルチと違うのが、単体はもちろん、外部機器との組み合わせもシームレスに行えるという点です。

内蔵エフェクトは「ディレイ」、「モジュレーション」、「ディストーション」、「オーバードライブ」と4種類で構成されているのですが、本体を見てもわかる通り、マルチ・エフェクターというよりも4台のストンプ・ボックスを1台にノックダウンした…というイメージに近いものとなっています。では、個別に見ていきましょう。

リッチでクリーミーなオーバードライブ

オーバードライブ・セクションはピュアなアナログ回路を使ったアナログ・ドライブが魅力。メーカーによると

70年代のヘンドリックス・サウンドを彷彿させます。中域は抑えながらもリッチなオーバードライブ・サウンドがその特徴です。豊かなハーモニクスを持ったサウンドとの組み合わせで特にその効果を発揮します。

引用:チェルブジャパン

とある通り、多くの人がイメージするオーバードライブ・サウンドそのもの。DRIVE、TONE、LEVELというお馴染みの3コントロールは効きが良く、ブースター的にもクランチ〜王道ドライブ・サウンドまで、ジャンルや好みを選ばずに使えます。パラメーターのコントロールはデジタルで行われているようですが、ベースがアナログ回路なだけあり、ツマミを操作した時の音色変化も非常にリニア。セッティングもスムーズに決まるでしょう。

ブリティッシュ感溢れる、ディストーション

次にディストーション・セクション。こちらもデジタル・コントロールのアナログ・エフェクトです。Brown Angerと名付けられているのですが、そのイメージの通り、マーシャル系。とはいえ、ゲインはかなり深いので、往年のMarshallというよりも現代的なモダン・ブリティッシュ・サウンドと言った方がしっくりと来ます。特に低域から中域にかけての厚みが気持ち良く、深く歪ませても輪郭がハッキリとした、扱いやすいハイゲイン・サウンドが簡単に得られます。

最近は主流になったと言える、オーバードライブとディストーションの2段を活用したサウンド・メイクが行え、ルーティングはシリーズ(DRIVE→DIST / DIST→ DRIVE)、パラレルの3種類から選べるので、歪みの音作りの幅はかなり広いと言えるでしょう。

ヴィンテージでオーガニックなモジュレーション

内部的には、歪み回路を通った後でAD変換される…つまり、以降のエフェクトはデジタルで処理されます。

モジュレーション・セクションはモジュレーション(トレモロ、フェイザー、ユニヴァイブ)と3種類のコーラスの2系統6タイプを収録。2つのトグル・スイッチを使い、タイプが選択できるようになっています。

モジュレーション・セクションは、まさに王道サウンド。有名なヴィンテージ・ストンプを彷彿させるオーセンティックなトーンが味わえます。デジタル・エフェクトではありますが、濃密さとクリアさを両立した、扱いやすいエフェクトと言えるでしょう。

特筆すべきはコーラス・セクションです。コーラスはBOSSのCE系アナログ・コーラス、より立体的でデジタル・ライクなSC、そして、MXR風で現代的なSTと、ヴィンテージ、アナログ、モダンの3バリエーションを用意。どのタイプも「そうそう、この感じ!」というフィールが味わえます。

時代感を操るディレイ

ディレイ・セクションも3タイプが使用可能です。

まず、最も古いテープ・エコー(60’s)。オーバーサチュレートと呼ばれるテープ特有の歪みまで再現されており、わかりやすいテープ・エコーが得られます。ディレイ・タイムは 55ms – 550ms。

2つ目がアナログ素子のBBDを使ったアナログ・ディレイ(70’s)。まったりと落ち着いたトーンはギターとの相性が抜群で、アナログの質感がうまく再現されています。ディレイ・タイムは 40ms – 400ms。

3つ目はデジタル・ディレイ(80’s)。先の2つに比べて、クリアでキレの良い、デジタルならではのピュアなサウンドです。ディレイ・タイムも最も長い80ms – 800msとなっています。

リバーブも搭載

ディレイ・セクションにはリバーブも搭載されています。こちらもモジュレーションと同様にトグル・スイッチで切り替えていきます。選択できるのはプレート、ホール、スプリングと、どれもギターで多用されるタイプです。

操作感はストンプ・ボックスとまったく同じ。もちろん4エフェクトの組み合わせを保存/リコールできます。

IRローダー搭載

ユニークなのがIRローダー機能を搭載している点です。IRはインパルス・レスポンスの略で、キャビネット・シミュレーターに使われています。

というのも、Cerberusには2系統の出力端子が用意されており、通常のエフェクターとしてアンプに接続するだけでなく、ミキサーやDI、オーディオ・インターフェイスなど、ライン機器に同時に接続することができます。その際、キャビネット・シミュレーターを使うことで、キャビネットにマイクを立てたサウンドをラインで再現できるというわけです。

最初から4×12のクローズバックのIRが読み込まれているのですが、エディターを使うことで自作を含むサードパーティーのIRを取り込むことができます。ラインやヘッドフォンを使う場合には、IRにこだわるとサウンドのバリエーションが一気に広がります。

4ケーブル・メソッドに対応

さらに、Cerberusは入出力も豊富で、昨今話題の4ケーブル・メソッドにも対応できます。つまり、エフェクト・ループを搭載し、エフェクト・システムの中にアンプを組み込んで使うことができるのです。

DRIVEやDISTのアナログ・ドライブ・セクションの後の信号を外に取り出すことができるので、こうすることで歪みはアンプの前に、モジュレーションやディレイはアンプのセンド/リターンで掛けるという高度な音作りが行えます。

次世代マルチ・エフェクター

サウンド、操作感、拡張性と、どれを取っても大満足のCerberus。値段を考えると破格のコスト・パフォーマンスと言えるのではないでしょうか。ぜひ一度、お試しください。


■販売価格:3万3,600円前後(税別)

■お問い合わせ先:チェルブジャパン
メーカーの製品紹介ページ


 

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